バイタルサイン(バイタル)とは

介護に役立つ用語集

バイタルサイン(バイタル)とは、人の体の状態を示す生体情報のこと。

呼吸・体温・血圧・脈拍数・意識の状態を基本とし、食欲や排泄の状況、睡眠の状況までを含み、健康状態をチェックします。

特に高齢者や持病のある人は、自身ないしは家族がチェックをする必要があります。身近なところでは風邪の際の体温計測、高血圧の人ならば朝晩の血圧計測など、家庭でできるバイタルサインチェック法も多くあります。

他に、顔色の良し悪しや気分の変化など、介護の場では多くのバイタルサインのチェックが行われています。

1.バイタルサインの測定

バイタルサインの測定は、基本的に安静時に行います。血圧や脈拍などは基本的に左側で測定しますが、もしも麻痺などで測定しづらい・できないときは右側で行うことがあります。

呼吸の回数も測定することがありますが、これは肺炎・喘息などで息苦しくはないかの確認方法でもあります。

これらは体の様子を数値で把握するためのものですが、それだけでは身体状況を完全に把握することはできません。特に会話がままならない認知症の人の場合、体のどこかの痛み・苦しみを表情で伝えることしかできません。

表情に変化はないか、いつもは取らない姿勢をしていないかなど、総合的にみる事が重要です。

2.高齢者のバイタルサイン正常値

高齢者の平均的なバイタルサイン(数値)は次の通りです。

  • 体温=35度台
  • 脈拍数=毎分60~100
  • 血圧=最高120台・最低70台
  • 呼吸=毎分10回台

安静時に測定するものではありますが、高血圧の人の場合、血圧の変わりやすい入浴の前後にも測定します。最高血圧が150を越えると、入浴不可と指示されることが多くなります。

家庭でも日頃これらの項目を日々測定し、その日の様子などを加え日記形式で記録しておくと、次回の通院日ないしは訪問看護を受けるときの大事な資料となります。

もちろん、急に体調不良を訴えたり、表情がいつもと異なったり、または倒れたりしたときは、まず本人に「苦しくはないか」と尋ねることが肝要です。バイタルサインの測定はその後です。

3.バイタルサインの報告に含めるべきこと

バイタルサインの観察で気づくことは意外に多くあります。特に呼吸の状況は要介護者本人の身体・心理状態を示すもので、数値だけでなく状態も慎重に観察し、必要に応じ即座に医師に報告・相談します。もちろん手が空いているようでしたら記録をし、後日の診察時に役立てます。

以下のような状態を示したときは、救急車を呼ぶ、ないしは主治医へ電話をし相談・報告をしなければなりません。

  • 鼻翼呼吸=鼻翼(びよく・小鼻のこと)を動かしながら呼吸をする。息苦しいサイン
  • 喘鳴=呼吸をするたびに「ぜーぜー」「ひゅーひゅー」と音がする。痰がからんでいるサイン
  • 過呼吸=呼吸が浅くなり呼吸数が増える。ストレスを感じたりパニックを起こしているサイン
  • チェーンストークス呼吸=深い呼吸と弱い呼吸、無呼吸を繰り返す。脳内出血や心不全の疑い

他にもバイタルサインから気づける体調の変化や疾患は多くあります。気になることがあれば、事前に手渡されている血圧手帳などにメモをし、医師に報告します。

まとめ

バイタルサインとは、個々人の体調・心理状況を客観的に示すものです。数値で示すものもあれば、患者の状態を観察することで発見できる変化もあります。バイタルサインについては、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. バイタルサインとは、基本的に呼吸・体温・血圧・脈拍数・意識状態を指すことば
  2. バイタルサインの測定は安静時に。数値だけでなく表情や顔色も確認
  3. バイタルサインは日々記録することが大切。体調や病状の変化に早く気づける
  4. 数値のみならず身体状態も観察。呼吸の状態にも気を配る