入浴中の事故とは

介護に役立つ用語集
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入浴中の事故とは、温熱や水圧など入浴に関係する要素により心臓や血圧、呼吸機能が影響を受け、溺れたり、最悪の場合死に至ることを指す。

入浴に関しては、湯の温度を低めにしたり、長湯をしないなど、高齢者ならではの注意点がいくつかあります。

入浴前後であっても心臓発作などの事故を引き起こす「ヒートショック」が注目されていて、入浴そのもののみならず、風呂場の環境にも注意を払う必要があることが広く知られています。

1.入浴中の事故に関する統計

高齢者が家の内で何らかの事故に遭うことは珍しくなく、ケガなどの原因の約8割が家の中での転倒です。しかしながら、浴槽内での溺死も決して少なくはありません。平成23年に公開された「人口動態統計年報」の死亡に関する統計では、

  • 浴槽内での溺死及び溺水=316人(45~64歳)/ 1,657人(65~79歳)/1,883人(80歳以上)

となっていて、65歳以上では「転倒・転落」よりはるかに多い人数が入浴中の事故に遭っていることがわかります(第1表・性別にみた死因順位(第10位まで)別/死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合│厚生労働省)。

このように、入浴が事故や死因につながることも珍しくなく、特に高齢者は注意を要することがわかります。

2.高齢者が遭いやすい入浴中の事故の原因

入浴とは、清潔を保つためだけでなく、日本においてはリラックスを目的にする側面があります。湯を溜めた浴槽に身を沈め、血行を促進することで「気持ちよさ」を追求するのが日本の「風呂文化」です。

湯をはった浴槽に身を沈めることで身体が受ける影響は次の通りです。

  • 温熱効果=血管が拡張する・体が熱を持つ
  • 水圧=体が締め付けられる・心拍出量が増える

入浴前に寒いところで衣服を脱ぐ・着るという動作も伴いますので、血圧は乱高下します。長湯をすれば発汗により血液量が減少することもあります。これら各種条件が合致したとき、のぼせでフラフラしたり、気を失ったり、ときとして心筋梗塞や脳梗塞など命に直結する現象に遭遇してしまうのです。

3.入浴中の事故防止

先に触れたように、血圧と気温は深いかかわりを持っています。このことから、血圧の乱高下を防ぎ、入浴中の事故防止を目指すため、次のような点に注意を払いましょう。

  • お湯の温度は高くしない。40度程度が目安
  • 気温の低い日は入浴を避ける、ないしは気温が一番高い時間帯に
  • 心臓や肺の病気、ないしは高血圧などの持病がある人は半身浴を
  • 脱衣所が寒い時期は、ファンヒーターなどで温めておく

入浴介護サービスを受ける前には、体温・血圧などのチェックを行います。それと同様に、日によって変動しやすい病気や体質である場合は、めまいはしないか、気分が悪くはないかなど体調を自ら確認してから入浴するよう心がけることが大切です。

まとめ

入浴中の事故は、決して他人事ではありません。いわゆる中年とされる45歳以上の人であっても浴槽内での溺死は起こりうることです。入浴中の事故については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 入浴中の事故とは、入浴にまつわる要素により心臓や血圧に影響が及び、溺れる、ないしは死に至ることを指す
  2. 入浴中の事故に関する統計では、65歳以上の死因「浴槽内での溺死及び溺水」が、「転倒・転落」より多い
  3. 入浴中の事故の原因は、主に「血圧の乱高下」。のぼせないよう注意を
  4. 入浴中の事故を防止するには、熱いお湯に入らない・脱衣所を温めるなど血圧の乱高下を防ぐことから。体調が悪い日は入浴を止めておく

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