疥癬(かいせん)とは

疥癬(かいせん)とは、疥癬虫とも呼ばれるヒゼンダニが角質層に寄生し、ときとしてアレルギー反応を示し激しいかゆみを生じさせ、眠りを妨げることもあります。

感染者との接触で発生するもので、疥癬患者は年間最大15万人にのぼると予想する専門家もいます。一般的には家族や親しい人同士(布団やこたつ、雑魚寝など)でうつるものですが、ときにに多くの人が生活を共にする各種施設で集団発生することがあります。

1.疥癬の感染経路

疥癬の感染経路は、皮膚の接触です。

ヒゼンダニの幼虫やオスは皮膚の表面にいますが、交尾により卵をはらんだメスは、毛穴や自ら掘った穴(疥癬トンネル)に隠れ、角質層内で産卵します。ヒゼンダニの卵は4日ほどで孵化し、その幼虫は毛穴や疥癬トンネルから這い出し、また皮膚の表面に戻っていきます。皮膚の表面にいるこれらのヒゼンダニが他の人に移り行くことが第一の感染経路です。

もうひとつの感染源は、患者の皮膚からはがれおちた皮膚片です。この皮膚片が他の人の衣服や寝具に接する、もしくは丁寧に清掃・洗濯せずに衣服や寝具を他の人が使うと感染することがあります。

2.疥癬の潜伏期間と治療法

疥癬の潜伏期間は、1~2カ月とされています。疥癬の病型は2種類あり、感染力の強さも異なります。

  • 病型=ヒゼンダニの数/感染力/かゆみの程度/症状の表れやすい部位/かかりやすい人
  • 通常疥癬=100匹以下/弱い/強い/顔・頭を除く全身/通常
  • 角化型疥癬(ノルウェー疥癬)=100万匹以上/強い/不定/全身/抵抗力の弱い人

このふたつの病型のうち、角化型疥癬は皮膚が厚くなったように見え、ときに皮膚の色が灰色になることがあります。角化型疥癬ははがれた皮膚片中のヒゼンダニ数が多いため、集団発生の感染源となることがあります。抵抗力が弱い人は角化型疥癬(ノルウェー疥癬)となりやすいですので、他に疥癬患者が判明した場合は早期の検査・早期治療が肝要です。

疥癬と診断するためには、感染部位と疑われる部分の皮膚(組織片)を採取し、虫そのものや卵、卵の抜け殻を発見する必要があります。診断後は、ヒゼンダニに対応した飲み薬・塗り薬で対処します。かゆみがひどいときは、かゆみ止めが処方されます。

3.疥癬の予防法

疥癬の何よりの予防は、おかしいと感じたときにすぐ皮膚科受診することです。疥癬感染者が発見されたら、家族や施設内の他の人にうつさないよう、以下の点に注意します

  • シーツやパジャマなど皮膚に触れるものの共用をしない
  • シーツや衣類を毎日交換し、洗濯前に50度以上のお湯に10分以上つける
  • 毎日入浴する
  • 居室や脱衣所の清掃を丁寧に
  • 接触感染が疑われる人も皮膚科にかかる
  • 角化型疥癬(ノルウェー疥癬)患者が使用していた部屋には殺虫剤を使用する
  • 聴診器や血圧計、体温計などは使用後に清拭する
  • 角化型疥癬(ノルウェー疥癬)患者の場合は、2週間程度隔離

 

まとめ

疥癬(かいせん)とは、かゆみというアレルギー症状を引き起こすもので、ときとして眠れない状態を引き起こします。疥癬(かいせん)については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 疥癬(かいせん)とは、ヒゼンダニが角質層に寄生するもの。家族や親しい人、共に生活している人の間でうつる
  2. 疥癬の感染経路は、主に皮膚の接触。重症の疥癬患者からはがれ落ちた皮膚片が衣服や寝具につくことで他の人へ感染することも
  3. 疥癬の潜伏期間は1~2カ月。「通常疥癬」「角化型疥癬」かにより感染力の強さが変わる
  4. 疥癬の予防は、患者が発見されたら、皮膚に触れるものの共用をしない、丁寧な清掃などしかるべき措置で