橈骨(とうこつ)とは

介護に役立つ用語集

橈骨(とうこつ)とは、手首からひじまでの間にある2本の骨のうち、内側(親指側)にある骨のこと。

高齢になると、加齢に伴い骨の密度が低下しているうえ、運動不足や偏食、関節リウマチ、糖尿病などで骨がもろくなっています。そのうえ、足腰が弱くなりふらついて手をつく、転倒するなどで骨折しやすくなりますが、その代表的な部分がこの橈骨です。

手のそばであるだけに、手をうまく動かせない・痛みが生じるといった問題が生じやすくなります。

1.橈骨遠位端骨折の症状

橈骨遠位端骨折の症状には、次のようなものがあります。

  • 強い痛み
  • 腫れ
  • 手首を動かせる範囲が狭まる(関節可動域制限)
  • 手首の形の変形
  • 麻痺

転倒したときに手をついた、もしくはどこかに強くぶつけたのち、このような症状が出てきた場合は、橈骨遠位端骨折を疑います。
高齢者は我慢強い方も少なくありませんので、「しばらくしたら治る」と湿布でごまかしてしまうこともありますが、“原因”が明らかである場合は早めに外科へ行き診察を受けましょう。

本人に自覚がなくとも、いくら我慢強くとも、上記の症状が骨折からきていることもありますので注意が必要です。

2.橈骨神経麻痺

上腕(手首からひじ)のどこかに骨折やケガ、圧迫、腫瘍などが生じたとき、橈骨神経麻痺が起こります。

橈骨神経麻痺は、手の甲から前腕にかけての感覚障害・手首から手が下がり伸ばせなくなる「下垂手」、手首は動かせるものの指の付け根が伸ばせなくなる「下垂指」に分けられます。

ケガや骨折などが起こっている部位により症状が出る箇所は異なります。

上腕の中央あたりは、上腕骨と橈骨神経が密接な位置関係にありますので、ケガや骨折を負うことによって神経が影響を受けやすいという特徴があります。骨や筋肉が弱っている高齢者にとって、橈骨にまつわるトラブルは少なくないといっていいでしょう。

3.橈骨遠位端骨折の手術とリハビリ

橈骨遠位端骨折で骨がずれるなど大きなケガとなってしまったものの場合、手術をしなければなりません。骨のカケラを丁寧に元の位置に戻しながら、同時にプレートとスクリューで骨を固定します。

もしもヒビが入っている程度のものでしたら、ギブスで固定し骨が安定してくるのを待ちます。

いずれの場合も措置後数日からリハビリを開始します。状態によりリハビリの方法は変わりますが、まず腕を上げる、指を動かすといった“できる範囲”から行います。
これにより、骨折や手術による腫れを早く引かせることができますし、指を使わない期間を減らすことで、手の機能を早く回復させることができます。

まとめ

橈骨とは、生活に欠かせない手指に繋がる大切な骨です。高齢者にとって「骨の老化」は避けられないものですが、それといって何がしかのときに「手が使えなくなる」というのは怖いことです。橈骨に関しては、次の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 橈骨とは、前腕の骨のうち、親指側の骨のこと。高齢者が骨折しやすい場所のひとつ
  2. 橈骨遠位端骨折を負うと、痛みのみならず手首や指をうまく動かせなくなる。骨折が疑われる場合早めに受診を
  3. 上腕の骨折やケガなどにより、橈骨神経麻痺が起こることも。手や指が伸ばせなくなったり、感覚障害が生じる
  4. 橈骨遠位端骨折の治療は、手術もしくはギブス固定・リハビリ。早く治療に取り掛からなければ、関節が動かせなくなり手が不自由になることも