疼痛管理(ペインクリニック)とは

介護に役立つ用語集

疼痛管理(ペインクリニック)とは、がん末期などの痛み(疼痛)を緩和し、痛み・苦しみのストレスを可能な限り感じさせないための医療行為

日本において2人にひとりはがんになるといわれていること、高齢者には変形性膝関節症や変形性脊椎症などにより寝たきりや痴呆に繋がるケースもあるとされているため、「痛みのコントロール」はいずれ誰もが求めるものともいえます。

痛みは数値で計測できるものではなく、その観察は難しいものですが、痛みが生活の質(QOL)を落とすことは明確です。このことから、ペインクリニック専門医も存在します。

1.疼痛管理に用いられる麻薬と看護計画

がんなどの痛みに用いられる薬剤は、モルヒネ(麻薬)ばかりではありません。

使う薬を選択するため、まず、看護計画に役立てるためのスマートフォンアプリケーションやチェックシートを使い、痛みの程度などを患者と医療関係者との間で“共有”します(つたえるアプリ│シオノギ製薬)(がんの痛み伝達シート│シオノギ製薬)。

程度により、非オピオイド鎮痛薬、非ステロイド鎮痛薬、アセトアミノフェンなど多種多様の鎮痛剤を使い分けます。作用の異なる鎮痛剤を複数用いることでより高い効果を得られることがわかっていますので、いくつかの薬が処方されることがあります。

医薬用麻薬の代表がモルヒネですが、痛みがあるときのみの使用では中毒にはなりません。吐き気や便秘といった副作用が現れることがありますが、それに対応した薬を同時に使用することで副作用を緩和します。

2.術後の疼痛管理

疼痛管理は何がしかの術後にも行われます。

特に事故に遭い全身に大きな傷や骨折を負ってしまった、がんのためおなかを大きく切る開腹手術を行ったなど、ひどい痛みを感じる場合にも疼痛管理を行います。

死亡率の高い肺がん・胃がん・大腸がんなども開腹手術で行われることが少なくありません。がん全体において、がんによる死亡率は60歳頃から増加しますので、術後の疼痛管理から、場合によってはがん末期の疼痛管理へ移行することもあります。

近年では「痛みは本人にストレスを与え、生活の質が落ちる」「痛みが体力や抵抗力を奪い予後がよくない」と考えられています。このことから疼痛管理は重要な役割を担っています。

3.疼痛管理に用いられる自動注入ポンプ

がん末期など、継続的に疼痛管理をしなければならないときには、PCAポンプとも呼ばれる自動注入ポンプを使用することがあります。

本人にしかわからない痛みをこられられなくなったとき、手元のボタンを押すと、腕の静脈につける通常の点滴管や、背中や腰の硬膜外麻酔点滴管に適量の鎮痛剤を送り込むポンプです。このPCAポンプには、

  • 持続的に投与する
  • ボタンを押したときに投与する
  • ボタンの押し間違いによる過剰投与を防ぐ

といった機能があります。

これまでは、痛みを感じたらナースコールボタンを押し、看護師に痛みを伝え、医師の指示のもとで鎮痛剤を投与していましたが、このPCAポンプならば患者自身で痛みをコントロールできるようになります。

PCAポンプは在宅看護用のものもありますので、つらい時期を自宅で過ごしたいという方は医師に相談してください。

まとめ

疼痛管理(ペインクリニック)とは、だれもがいつかは必要とする医療行為ともいえます。近年疼痛への考え方は変化し、「できるだけ痛みを取り除く」方向へと変わっています。疼痛管理(ペインクリニック)については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 疼痛管理(ペインクリニック)とは、痛みとそれによるストレスを緩和するための医療行為
  2. 疼痛管理(ペインクリニック)に大切なのは看護計画と使用する薬剤の選定。痛みの度合いに合わせて薬が処方される
  3. 術後の疼痛管理も大切なこと。痛みのストレスで回復が遅れることも広く知られている
  4. 疼痛管理(ペインクリニック)には、自動注入ポンプが使用されることがある。PCAポンプなら、患者自身である程度痛みをコントロールできる