ノーマライゼーションとは

介護に役立つ用語集

ノーマライゼーションとは、障がい者や社会的なマイノリティであっても、一般市民と同様の生活・権利を保障されるべきという理念を指すことば。

数十年前の日本では、知的ないしは身体障がい者を「外に出したくない」と考えるご家族もいたようです。しかしながら、超高齢化社会を迎えた現代日本においては、このような考え方を持っていては多くの世帯の生活そのものが破綻してしまいます。

どんな状態にある人であっても「普通に暮らしたい」と願うのは自然なことであり、それに応える社会環境をどう作るのかを問う理念でもあります。

1.ノーマライゼーションの歴史

ノーマライゼーションという考え方は、デンマーク発祥です。知的障害者が大型施設に収容されていた状態をみた人が、ナチスの強制収容所をイメージしてしまったことから、彼らの親たちと一緒に法の改正を求めました。

その後「1959年法」と呼ばれるようになったその法の中には、ノーマライゼーションということばが用いられています。

1959年法は「国連知的障害者権利宣言」「国連障害者権利宣言」の基礎的な理念として取り入れられ、1981年には国連決議のテーマ「国際障害者年(完全参加と平等)」へと引き継がれていきました。今では、オリンピックと共にパラリンピックが開かれるまでになりました。

障害がある人であっても「できることは自分でしたい」「他の人と同じように暮らしたい」という希望をかなえるため、日本でも法や制度がどんどん見直されています。

2.ノーマライゼーションとバリアフリー

日本においては、ノーマライゼーションよりもバリアフリーということばの方が広く知られています。

そもそもバリアフリーとは、建築の世界で多く使われてきた言葉です。杖をついている人、車いすの人にとって、小さな段差も「バリア」です。これらを取り除こう、というのがバリアフリーということばの意味です。近年では「こころのバリア」も含むニュアンスのことばとなっています。

一方、ノーマライゼーションは、「みんなが同じように暮らせる社会を作りましょう」というニュアンスを持ちます。障害があってもなくても、多少考え方や感じ方が違っても、誰もが同じように人としての権利を持っている、という意味です。

ノーマライゼーションの理念を実現するためのひとつの方法がバリアフリー、と言い換えることができます。

3.介護におけるノーマライゼーション

介護の面においても、ノーマライゼーションの理念は重要視されています。できる限り自分の家で暮らしたい、家族と共に暮らしたいという“ごく普通の願い”を実現するため、様々な仕組みがあります。

ケアプランによる在宅介護サービスがその代表的なものですが、ケアマネージャーは要介護者の「権利と尊厳」を最大限に考慮し、生活の質(QOL)をできるだけ落とさないよう計画を練ります。

介護をする家族もまた、要介護者のために立てられたケアプランに沿った暮らし方を心がける必要があります。いくら介護サービスを利用できる状態であったにせよ、介護する人がそれに反するような行動をとるのであれば、同じ方向を向いた介護とはいえません。

まとめ

「できるだけ自分の望む生活をしたい」というのは、誰にも共通する願いです。超高齢化社会にある日本において、要支援・要介護となってしまった方も同じです。そのこころを表すことばがノーマライゼーションです。ノーマライゼーションについては、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. ノーマライゼーションとは、障がい者や社会的マイノリティ(いわゆる弱者)であっても、その権利を保障しようとする考え方
  2. ノーマライゼーションは、デンマークが発祥。その後世界に広がり、国連でも宣言が行われた
  3. バリアフリーは、ノーマライゼーションの理念を具体化するひとつの方法
  4. 介護におけるノーマライゼーションは、要介護者の生活の質をできるだけ落とさないケアプランによって実現する