診療報酬とは

診療報酬とは、国民健康保険や協会けんぽなどから医療機関へ支払われる料金のこと。

患者個人は1割~3割を負担しますが、それを除いた7割~9割は保険制度から医療機関へ支払われています。その診療報酬はその医療機関の人件費や医療機器の購入・リース、医療設備の維持費などに使われています。

診療報酬の支払い元の組織でプールされているお金の仕組みが崩壊しないよう、その時々の経済状況や医療の進歩、実際に支払われた額などを勘案し、定期的に見直しがなされています。

1.診療報酬は明細書で確認できる

ここ数年のうち病院やクリニックに行ったことのある方は、領収書と共に「診療明細書」という書類をもらったことがあるはずです。2014年からこの診療明細書の発行が義務付けられ、患者自身が「今回の通院でどのような処置や検査を受けたか」「どのような薬処方やリハビリを受けたか」を確認できるようになっています。

医療機関は治療内容を点数で表した「診療報酬明細書」を作成し、保険者(国民健康保険や協会けんぽ)に提出、その情報に基づいて医療費を請求します。先に触れた診療明細書でも、ほぼ同等の情報を記す医療機関がありますので、診療報酬の目安がわかります。

診療明細書は、思わぬところで必要になることがあります。長期にわたる治療を受けたとき、治療によって想像しなかった状況に陥ったとき、「これまでに自分がどのような治療を受けてきたのか」を客観的に観察・証明できます。カルテは早ければ5年でなくなってしまうからです。

2.診療報酬と介護報酬の関係

年齢が上がるにつれ、何かしらの持病が発覚したり、それに対処するため定期的に通院することが増えます。それに加え、要支援・要介護認定を受けると、「医療機関と介護サービス」を“二本立て”で利用することも考えられます。つまり、支払いは自己負担分を除き「診療報酬+介護報酬」となるとお考えならば、それは違います。

医療・介護のふたつの保険を同時利用することは基本的に不可能です。65歳以上・介護保険を利用できる条件下にある場合、介護保険制度を使用し、介護と訪問看護を受けることとなっています。介護報酬で定められている以上に医療行為が必要である場合は、全額自己負担で診療を受けるという方法で問題の解消を図ることもあります。

要支援や要介護認定を受けた方であっても、末期がんや人工呼吸器を付けているなどの理由で主治医の指示があった場合は、医療保険での訪問看護を受けられるケースがありますので、ケアマネージャーなどへ相談してみてください。

3.診療報酬改定とは何のためにあるのか

診療報酬改定とは、2年に1度診療報酬を見直すことです。厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会が議論します。診療に対する点数対金額(1点=10円)は変わらないものの、点数に変更が加えられます。これは、保険制度を適切に保つこと、世相に合ったより望ましい医療体勢を整えることが目的です。

議論の場で検討材料に加えられるものには、「物価や人件費の動向」「医療技術の進み具合」などがあります。

2016年(平成28年)の診療報酬改定では

  • 質の高い在宅医療の確保
  • かかりつけ医の評価、ICT活用
  • 認知症患者への適切な医療
  • 後発医薬品(いわゆるジェネリック医薬品)の利用促進と薬価の適正化

などがポイントとなりました。

まとめ

診療報酬とは、私たちが病院にかかった際に支払われるお金のほとんどを占めるものです。診療報酬については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 診療報酬とは、国民健康保険や協会けんぽから医療機関へ支払われるお金。医療機関で人件費やその他費用に充てられる
  2. 診療報酬については、領収書と共に渡される診療明細書である程度わかる。医療機関は診療報酬明細書を保険者に送り支払いを待つ
  3. 医療と介護の両方が必要な場合でも介護保険が優先される。
  4. 診療報酬改定は2年に1度。物価・人件費などと共に、今後望まれる医療制度のすがたが勘案される

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