傾聴とは

傾聴とは、相手の話を丁寧に受け止め、背景にあるその人の気持ちや問題点に気づくようにすること。

特に言葉を自由に話せなくなった方、基本的に無口で自らの気持ちを語りたがらない方にとって、自らの置かれた環境への不満や希望を口にすることは難しいことです。このようなとき、直接介護してくれる方や施設のスタッフ、ケアマネージャーがこの「傾聴」の姿勢をとってくれることは、何よりもうれしいことです。

また、特に意図なく「ただ単に話を聞いて欲しいこと」は誰にでもあることです。高齢者・要介護者にも当然このようなことがあります。

1.「傾聴の姿勢」とは

傾聴の姿勢とは、よく耳にする言葉ですが、その基本は次のようなものです。

  • 話をさえぎらない
  • 「○○ということ?」など、時々話を要約して確認する
  • 「そうなんだ」「はい」「ええ」など、相づちを打つ
  • 表情や声のトーンなどにも意識を向ける

傾聴は、「アクティブ・リスニング」とも呼ばれます。こころのままに話してもらい、それをただ単に聞くのではありません。うなずく・相づちを打つ・笑顔を見せることで、「きちんと受け止めてもらえている」という安心を感じてもらうことが入り口です。

そして、適宜はなしを要約したり、整理することで、相手が本当に伝えたいことを確認していきます。話の流れを無理に変更したり、「こういうことを言いたいのだろう」と結果ありきで聞くことは厳禁です。

2.傾聴スキルはどうやって身につける?

傾聴スキルは、介護の現場のみならず、コミュニケーションが求められるビジネスの現場でも重要なものです。傾聴スキルに関する書籍も多く出版されています。また、ときにセミナーも開催されています。介護にあたる際、傾聴スキルについて関心があれば、これらに触れるのもよいことです。

傾聴スキルに関する書籍・セミナーなどで多く語られるのは次のようなことです。

  • 相手と自分の考えは異なることを理解し、相手の意見を否定しない
  • 自分の考え方を無理に押し付けない
  • 話を聞くときに先入観を抱かない
  • 聞く側が勝手に判断しない

会話に割ける時間が少ない場合、どうしても「○○ということですよね」と締めくくりたくなりますが、そのような場合は、クローズド・クエスチョン(YES/NOで答えられる質問)を使います。

しかし、いつもクローズド・クエスチョンで話をすると、相手には「話を聞いてもらえない人」として認識されてしまうでしょう。信頼関係を維持し続けるために、時間があるときはじっくりと話を聞いてください。

3.傾聴ボランティアをしてみたいとき

要介護者は、自らの体が自由にならない・家族や親戚、施設の人など固定された人間関係の中にあることのストレスを抱えています。また、何らかの災害に遭った人たちも、避難所などで多くの悩みを持っています。このような問題を少しでも和らげるため、傾聴ボランティアが重宝されます。

各地域にある社会福祉協議会などが窓口になり、傾聴ボランティア養成講座が開催されることがありますので、関心がある方は問い合わせてみるとよいでしょう。3時間×5回ほどの受講(内容により異なる)で修了証が交付されます。

その後は、福祉施設や病院などで傾聴ボランティアに参加することができるようになります。

まとめ

傾聴とは、相手を否定せず、こころに寄り添う行為のひとつです。傾聴については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 傾聴とは、話を聞きながらその人の抱える問題・今の気持ちに気づくための手段
  2. 傾聴の姿勢を示すためには、うなづく・相づちを打つ・常に笑顔でいることが重要
  3. 傾聴スキルは、介護のみならずビジネスや日頃の人間関係にも大いに役立つ
  4. 傾聴ボランティアをしたいときは、社会福祉協議会などが開催する傾聴ボランティア養成講座を受講する

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