インフォームド・コンセント(インフォームド・チョイス)とは

インフォームド・コンセントとは、提供される医療についての説明を受け、それを患者側が正しく理解すること。「説明と同意」とも呼ばれます。

その治療法のメリットとデメリットを理解しなければ、患者の望む生活の実現は不可能です。これは介護においても同じで、医療職/看護職/要介護者と家族の三者がそれぞれに今の状況を正しく把握し、どのような治療・介護を行うかを選ばなければなりません。

考えられる治療法が複数ある場合は、「インフォームド・チョイス」(説明と選択)が行われます。

1.インフォームド・コンセントの必要性

インフォームド・コンセントは、

  • 患者・要介護者が望む生活に近づくためどのような方法があるのか
  • その治療法や介護法にはどのようなデメリットがあるのか
  • 費用の問題をどう解決するのか

といったいくつもの側面からの説明を受け、それに納得するというプロセスを経て成立します。

充分な説明は、医師や薬剤師、看護師など医療に携わる人たちの義務ですので、わからないことがあれば、理解できるまで説明を求めることができます。
特にデメリット・注意点についての納得ができていなければ、後の看護・介護で不満が生じることも考えられます。後悔しない治療・介護のためにも、介護をされる方やその家族が納得できる方法を見つけることが重要です。

しかしながら、すべての面で完全に満足できる治療法はなかなか見つかりません。このため、メリットとデメリットを全て教えてもらった上で、いくつかの方法の中から「インフォームド・チョイス」をしなければならないことも多いのが現実です。

2.インフォームド・コンセントとその問題点

医療や介護は、人の生命や健康を司る専門分野であるだけに、どうしても専門用語を使わざるを得ないシーンがあります。そのため、

  • その言葉を理解するのが困難

といった問題点があります。わからない言葉(用語)があれば、ためらわずに「わかりやすく説明してください」と伝えてください。
専門家は、わざと難しく伝える意図はなくても、普段使っている用語をつい口にしてしまうことがあります。しかしながら、患者・要介護者側は、それを正しく理解する権利を持っていますので「(わからない言葉を指し)ここがわかりません」と説明を求めましょう。

わからないことがあればその場で解消しておきます。そうしないと疑問を持ったままとなってしまい、ときとして不利益を被ってしまう可能性もあります。特に、認知症などで治療や介護を必要とする本人が、治療法・介護法を理解することが難しい場合は家族の協力が必要不可欠です。

3.インフォームド・コンセントは「ヘルシンキ宣言」から

インフォームド・コンセントは、「患者の健康を第一の関心事」とするよう医師に義務付けた世界医師会ジュネーブ宣言を“進化”させ、現代医学に即するよう改めたヘルシンキ宣言で明確に定められたものです。

医学の進歩に伴い、新しい薬や新しい治療法が多く開発されている近年、ときとして「新しい方法を試してみませんか」という提案を受けるかもしれません。そのようなとき、第一義として考えなければならないのが「患者本人の理解と同意」です。

  • 説明を受けた被験者(患者)の自主的同意が必要
  • 被験者(患者)が意思表示ができない場合は、法的代理人の同意が必要
  • 同意は書面で得ること
  • 被験者(患者)ないしはその後見人が望まない場合、その後の研究を拒絶できる

とヘルシンキ宣言で定められています。このように、より良い治療・介護に必要なのは、インフォームド・コンセントが患者最大の権利と知ることです。

まとめ

インフォームド・コンセントとは、医療や介護の現場で治療方法・介護方法を決めるとき最重要視されるものです。インフォームド・コンセントについては、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. インフォームド・コンセントとは、「説明と同意」のこと。複数の治療方法がある場合はインフォームド・チョイスを行う
  2. インフォームド・コンセントは、治療方法のメリットとデメリットを正しく理解し、こころから納得できることが重要
  3. 治療や介護方法の説明を受けるとき、わからないことがあれば理解できるまで説明を求めることが大切
  4. インフォームド・コンセントは、治療や介護を必要とする人が持つ最大の権利、「知る権利」を表すもので世界共通の理念