特発性正常圧水頭症とは

介護に役立つ用語集
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特発性正常圧水頭症とは、脳に水(脳脊髄液)がたまり、手足の運動障害や認知症様の症状、尿失禁などを呈する病のこと。

脳内にたまった脳脊髄液を抜くための手術をすることで治るもので、「高齢だから仕方がない」とあきらめがちな症状の原因であることも少なくありません。

認知症の原因のひとつとされていますが、もしも特発性正常圧水頭症であった場合は「治る認知症」です。検査をし、手術を受ければほとんど元の生活ができるようになります。

1.特発性正常圧水頭症の症状

特発性正常圧水頭症の主な症状は、以下の3つ「歩行障害・認知症・尿失禁」です。

  • 歩行障害=すり足で歩くようになる・歩幅が小さくなる・歩行時足が開きがちになる・転倒しやすくなる
  • 認知症=一日中ぼんやりしている・集中力が欠けるようになる・呼びかけても反応しなくなる・それまで興味を持っていたことにも手が付かなくなる
  • 尿失禁=トイレに行く間隔が短くなる(頻尿)・尿意を感じてから排尿までの時間が短くなる(尿意切迫)

特に歩行障害や尿失禁は、「歳が歳だから」として片付けがちですが、特発性正常圧水頭症が原因であることも考えられます。ときに、声が出にくくなる、表情が乏しくなるといった症状があらわれることもあります。

2.特発性正常圧水頭症の診断基準

特発性正常圧水頭症には「特発性正常圧水頭症診療ガイドライン」という診断基準が存在します。概ね、次のようなチェック項目により確認されます。

  • 60歳以上であること
  • 歩行障害・認知症様症状・排尿障害のうちいずれかひとつに当てはまること
  • 当てはまる症状が他の病気からのものではないことがわかっていること
  • CTなどの画像診断により脳室が拡大していることが確認できること

しかしながら、これは“典型的”な特発性正常圧水頭症に当てはまるもので、ときに脳萎縮や多発脳梗塞と診断されてしまう人も少なからずいます。それを避けるために、医療機関によっては、上記チェック項目を全て満たさなくとも髄液タップテスト(腰椎から髄液を少し抜き一時的に症状が改善されるかどうかのテスト)を実施することがあります。

3.特発性正常圧水頭症の治療

特発性正常圧水頭症は、脳内に溜まった髄液が原因で起こるものです。つまり、余分な髄液を脳から抜くことで症状は改善されます。

  • 脳室からおなかへ髄液を流す
  • 腰椎からおなかへ髄液を流す
  • 脳室から心臓へ髄液を流す

状態によりいずれかのルートを選び、手術によりシリコンの管で髄液を脳から抜くようにします。これを「シャント術」と呼びます。
できるだけ早い時期に手術をすることでより高い効果を得られますので、早めに検査をし、本人の健康への意欲や体力のあるうちに手術を受ける必要があります。

まとめ

特発性正常圧水頭症とは「治る認知症」といわれていて、高齢者にありがちな症状を伴う病気です。特発性正常圧水頭症については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 特発性正常圧水頭症とは、脳内に水が溜まる病気。歩き方がおかしい、認知症のようだと感じられたら受診を
  2. 特発性正常圧水頭症の3大症状は「歩行障害」「認知症」「尿失禁」
  3. 特発性正常圧水頭症は、診断基準である「特発性正常圧水頭症診療ガイドライン」に則って診断される
  4. 特発性正常圧水頭症は、脳に溜まった水をシリコンチューブでおなかや心臓へ流すことで改善される

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