イデコとは何?わかりやすく5つの側面から解説します!

老後資金をより積極的な姿勢で準備したい、という方は、投資なども候補に入っていることでしょう。近年、投資についてのテレビCMも増えましたし、書籍も多く見かけるようになりました。これらの中で、あなたにマッチしたものに出会えましたか。

今回は、「もうひとつの年金」というキャッチコピーのついたイデコについて解説します。イデコとは何か、その仕組みや税制上の優遇についてなど、「イデコの基本」をお伝えします。

1.イデコ(iDeCo)とは?年金保険とどう違う?

イデコとは、「individual-type Defined Contribution pension plan」の略で、個人型確定拠出年金を示します。個人でかけたお金を自ら選んだ運営管理機関に運用してもらうことにより、運用益を得ようとするものです。

平成13年(2001年)に施行された「確定拠出年金法」に基づいた私的年金で、2017年からは「iDeCo」として20歳以上60歳未満の人が自由に加入できるようになりました。しかし、企業型確定拠出年金に加入している場合、その規約で個人型確定拠出年金に加入してもよいかどうかを確認してからでなければ加入できません。

積み上がった運用益は、原則60歳になってから、「一時金(一括)」で受け取ります。運営管理機関によって「年金(5年以上20年以下)」、そして「一時金+年金」を取り扱う場合もあります。

確定拠出年金(DC)とは
公的年金(国民年金や厚生年金)の上乗せという位置づけ。
国民年金基金連合会が運営するのが、イデコ(個人型確定拠出年金)で掛け金は個人負担。
企業(事業主)が運営するのが、企業型確定拠出年金。
企業型の場合、企業ないしは企業+個人で費用負担をする。

個人年金保険とは、民間保険会社が販売している商品です。老後の生活費確保法としてはイデコとなんら変わりはありませんが、

  • 個人年金保険=給付金額が決められていて安心感はあるが、万一途中で解約すると受取額が減少してしまう
  • イデコ=途中での解約は原則的に不可なので「半強制的」にお金が積み上がるが、給付金額は決まっていない

という違いがあります。

2.イデコに加入できる人は?掛金は?

イデコへの加入条件とそれぞれの最大掛金は、以下の通りです。

区分 加入対象 加入できない人 最大掛金/月額
国民年金第1号被保険者 日本国内に居住

20歳以上60歳未満

自営業者/学生など

国民年金保険料納付免除(一部免除含む)されている人

※上記の状態でも、障害基礎年金受給者などは加入できる

農業者年金被保険者

  • 国民年金基金/国民年金付加保険料との合算で6.8万円まで
国民年金第2号被保険者 60歳未満で厚生年金被保険者 企業型確定拠出年金加入者

※規約で個人型確定拠出年金への同時加入が認められている場合を除く

  • 企業年金がない会社員=2.3万円
  • 企業型確定拠出年金に加入している会社員=2万円
  • 確定給付型年金(DB)+企業型確定拠出年金に加入している会社員=1.2万円
  • 確定給付型年金(DB)に加入している会社員=1.2万円
  • 公務員など=1.2万円
国民年金第3号被保険者 20歳以上60歳未満で厚生年金に加入している人の被扶養配偶者 特になし
  • 専業主婦(夫)=2.3万円

上記の最大掛金は、あくまでも「最大」で、月額5,000円から1,000円刻みで自由に決めることができます。また、掛金については、1年に1度の変更も可能です。

3.節税効果もある、イデコのメリット

個人年金保険で使うことのできる控除は、生命保険控除で、所得税には4万円まで、住民税には2万8,000円までで、計6万8,000円までとの定めがあります。

一方、イデコをはじめとした確定拠出年金(DC)では、

  • 毎月の掛金全額が控除対象
  • 運用期間中の利益は非課税

と大きなメリットがあります。

たとえば、年収500万円の会社員ならば、扶養家族などの諸条件で多少異なりますが、

  • イデコをはじめとした確定拠出年金(DC)を月2万円掛けたとすると、約5万円戻ってくる
  • 個人年金保険を月2万円掛けたとすると、約7,000円戻ってくる

と、単純計算でも大きな差が生じます。節税の面でも、イデコは大きな効果を発揮します。

この差を掛けた年数を積み上げていくとすると、

  • 年の差額約4万円×30年=約120万円

もの金額がセーブできる計算となります。もしも老後資金を準備したいと考えておられるのであれば、できるだけ早くからイデコも選択肢に入れ、資金計画することをおすすめします。

イデコの節税効果についてのシミュレーションができるサイトもありますので、ざっくりとでもその効果を見てみたい方はお試しください(あなたもトライ!非課税効果がすぐわかる節税シミュレーター│ろうきん)。

3-1.税制上メリットがあるといっても、年末調整は可能?それとも確定申告する?

節税のメリットがとても大きなイデコですが、会社員ならおなじみの「年末調整」してもらうことができます。概ねの会社では、必要書類を総務部などに提出することで手続きをしてもらえますが、もしも個人で記入しなければならないときは、年末調整用用紙(給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書)の「小規模企業共済等掛金控除」の欄に金額を書き込みし、国民年金基金連合会から送られてくる払込証明書を添付します。

もちろん、個人事業主(フリーランス)の場合は毎年確定申告をします。このとき、所得から差し引かれる金額欄の「小規模企業共済等掛金控除」に金額を記入し、払込証明書を添付します。

4.イデコを掛けるに当たっての注意点

同じ金額を積み立てていくにしても、税制上のメリットが大きいイデコですが、以下の事柄に注意をしてください。

4-1.各種手数料

イデコを始めるにあたっては、証券会社を選ぶところからはじめます。証券会社によって、各種手数料が発生します。

  • 個人型確定拠出年金口座を開設する際にかかる加入手数料
  • 口座管理料
  • 信託報酬

これらを総合的に判断しなければ、毎月同じ金額を積み立てるとしても受け取り時に大きな差が生じてしまいますので注意しましょう。

4-2.専業主婦(夫)には税制上のメリットはない

専業主婦(夫)は、働き手を支える重要な役割を果たしています。しかしながら残念なことにその“対価”は目に見える形で支払われていません。このことは「所得税を納めていない」ことにつながり、イデコから得られる税制上のメリットはないこととなります。

4-3.60歳までは解約できない

単なる定期預金などと異なり、イデコは税制上の優遇を受けています。そのため、60歳までは取り崩すことができませんので、預貯金したい金額すべてをイデコにするのではなく、個人年金保険や定期預金などにも振り分ける工夫が必要です。

4-4.元本割れのリスクがある

イデコは掛金を運用することで運用益を確保するところにうまみがあります。しかしながらそれは、ときとして「元本割れリスク」を負うことになります。

とはいえ、運用方法(商品)はご自身で選ぶことができます。ハイリターンは期待できないものの「元本確保型」の商品もありますので、考え方にあわせ賢く選んでください。

5.イデコは公的年金、受取時にも節税に大きなメリット

イデコの積立金を退職時に一時金(一括)で受け取る場合は、「退職所得控除」の対象となります(退職金を受け取ったとき│国税庁)。しかしながら、1社で辛抱強く勤め上げ退職金が2,000万円を受け取るようなケースですと、退職所得控除枠を“振り切って”しまい、課税対象となることもあります。

また、年金形式で受け取る場合は、「公的年金等控除」が適用され、65歳以上・公的年金収入合計額が年間120万円までの場合は所得税額ゼロ、330万円未満の場合は120万円万円まで控除…と段階的に控除枠が変化します(確定拠出年金とは│楽天証券)。

よって、プランニングの際には、掛金のみならず、受け取りのタイミング・受取方法も合わせて検討します。

まとめ

平均寿命は、いまや男性で80歳、女性ならば87歳となった日本。国民年金や厚生年金だけでは生活が心もとない方も少なくありません。積極的な老後資金の準備法として今年“解禁”されたイデコは、強い味方となってくれます。

今回はイデコの基礎知識をお伝えしましたが、特に覚えておいて頂きたい点は以下の6つです。

  1. イデコは資産運用法のひとつ。自らが用意したお金を自らが選んだ運営管理機関に託すことで運用益を得るもの
  2. イデコは途中解約不可。半強制的に老後資金を蓄えることが可能だが、運用益であるだけに給付金額は定まっていない
  3. イデコの最大掛金は国民年金被保険者1~3号により変わる。最小掛金5,000円から、1,000円単位で自由に決められる
  4. 掛金と運用利益は非課税。節税効果も大きいので、できるだけ早くから取り組むことが最大のメリットを生む
  5. 証券会社により、各種手数料が異なる。各社の条件を詳細にチェックし、吟味すること
  6. 60歳まで解約できないうえ、元本割れリスクも。個人年金保険や定期預金も利用する、元本確保型を選ぶなどリスクヘッジを