低血糖とは、血液中の糖が極端に下がってしまった状態のこと。
血糖値が異常に下がってしまうと、脳が糖不足状態となり、交感神経症状を呈します。めまいがする、手足が震えるなどが代表的な症状ですが、ときに痙攣や昏睡など命の危機ともいえる症状が現れることもあります。
特に注意しなければならないのは、糖尿病の持病を持っている人です。インスリン注射や飲み薬の量を間違っていないか改めてチェックしたり、病院で再検査を受ける必要があります。
1.低血糖の症状
低血糖には、血糖値レベルにより様々な症状が現れます。
- 70mg/dL以下=不安になる・脈が早くなる・手足が震える・顔色が青白くなる
- 50mg/dL程度=頭痛がする・目がかすむ・生あくびが出る
- 50mg/dL以下=痙攣や昏睡、異常行動など
※人により血糖値と症状は合致しない。あくまで目安
糖尿病など、血糖値に直接関係する病気を持っていない人の場合、まず起き上がれない・ふらふらする・手が震えるなどの症状で気がつくことがあります。
血糖値が下がることで生じるこれらの症状は、糖分の多いもの(砂糖水など)を口にするとすぐに落ち着きます。一時的なものであればベッドの枕元にブドウ糖水のペットボトルを、出かけるときには原材料の欄に「ブドウ糖」と書かれているもの(一部のチョコレートやキャンディ)を携帯するとよいでしょう。
2.低血糖の検査
低血糖は、糖尿病と深い関わりがあります。糖尿病が持病である、という人の場合
- 薬の量や注射・摂取のタイミングを間違っていないか
- 食事の間隔がずれてはいないか
- 空腹のまま体を動かしたりしていないか
などの点から、日常生活を振り返ってみなければなりません。もちろん定期的に通院しているはずですので、検査の血糖値の数値も改めて確認します。
もしも持病として意識していなくとも、糖尿病による低血糖からそれに気づくことがありますので、糖分摂取で症状が改善されるようなら検査を受けてください。糖尿病以外の持病に処方されている薬の副作用ではないかの検査も行われます。
低血糖の目安となる数値は上でも触れましたが、ときに他の自覚症状もなく突然頭痛がしたり、突然倒れたりすることもありますので、そのような危険性を防ぐためにも早めの受診をおすすめします。
3.低血糖と食事
低血糖は、血液内の糖の濃度が低くなることで起きます。糖尿病の場合、食事内容や食事のタイミング、薬の摂取との兼ね合わせが悪いとき、血糖値をうまくコントロールできず低血糖を起こします。
また、高齢者の場合、「食が細り、必要なだけの糖分を摂取できていない」「口腔内や嚥下の問題で食べやすいものしか食べない」といったことも起こりがちです。そのような中でも栄養バランスを保つよう心がけなければなりません。
また、近年では低糖質ダイエットなるものも流行しています。健康な高齢者であっても必要に応じてダイエットをしなければならないものですが、体に負担のかかる方法はよくありません。食事制限だけではなく、適切に運動を取り入れることで、「健康寿命」を延ばすことを心がけたいものです。
まとめ
低血糖は、突然現れる手足の震えや頭痛で気づくものです。持病やその薬との兼ね合いもあり、検査を受けたり日常の生活を見直す必要があります。低血糖については、以下の4つを特に理解しておきましょう。
- 低血糖とは、血中の糖の濃度が低くなること。血糖値が急激に下がることで交感神経を乱れさせる
- 低血糖の症状には、手足の震え、脈が早くなる、頭痛、生あくびなどがある
- 低血糖の検査は糖尿病の検査のみならず、他に処方されている薬の副作用を疑うことも含まれる
- 高齢になると食が細る・偏ることも珍しくなく、そこから低血糖を起こすことがある