病院死とは

介護に役立つ用語集

病院死とは、文字通り最期を病院で迎えること。

これまでは、持病で入院中に病院で亡くなる人が多くいました。たとえば、がん患者が末期と診断され、緩和ケアを受けながらそこで死を迎えるというイメージです。
しかしながら、高齢者が増える一方の現代日本において、本人が希望すれば自宅で治療を受け、ときにそのまま死を迎えられる体勢を国も整えつつあります。

病院のベッドを本当に治療が必要な人のために空けることも重要ですし、高齢者が自分の望む「最期」をどこで迎えたいかに応えていく方法を考えていかなければなりません。

1.病院死の割合

国が発表した死亡場所は2013年で75.6%です。その他の場所や推移は以下の通りです。

2005年=病院79.8%/自宅12.2%/介護老人保健施設0.7%/老人ホーム2.1%

2013年=病院75.6%/自宅12.9%/介護老人保健施設1.9%/老人ホーム5.3%(死亡数の年次推移│内閣府

終戦直後(1945年頃)では、約90%の人が自宅で死を迎えていましたが、病院など医療施設の増加や、核家族化が進むなかで、病気をもった高齢者の行き場が病院であったことに起因します。
しかしながら、近年では看取りに対応できるサービス付き高齢者向け住宅なども増加傾向にありますので、病院ではなく「住まい」での死を迎える人も増えています。

2.厚生労働省の考える病院死と在宅死

病院死は減少傾向、在宅死が増加傾向にあるのは、老人向けの施設が増えてきたこと、在宅療養支援診療所の増加により自宅で医療を受けるチャンスが増えたことによるものと考えられます。

人はだれも、「いつ体調が急変するかわからない・死ぬかもわからない」と思うとき、住み慣れた場所を選びたいと考えるものでしょう。しかしながら、そのためには、自宅での療養に対応してくれる医療機関やスタッフがいてくれなければなりません。

そのために設けられているのが「訪問看護ステーション」で、日常の医療支援や急変時の対応、看取りにまで対応できる体制を整えようとしています。訪問看護の利用者は、

  • 平成19年=7万900人(医療保険)/24万6,700人(介護保険)
  • 平成23年=9万8,900人(医療保険)/28万6,500人(介護保険)
  • 平成27年=17万800人(医療保険)/38万5,300人(介護保険)(在宅医療の現状│厚生労働省

と増加しています。

3.病院死のメリット

病院死にも、もちろんメリットはあります。

患者本人が「生きられる可能性があるうちはどんなことでも耐えて生き抜きたい」という希望を持っているとき、その要望に応えやすくなります。看護も24時間体制で、容態の変化にもスピーディーに対応してもらえます。

また、もしも本当に死を迎えたとき、「死因」が特定しやすいこともメリットに挙げられます。在宅看護の場合、慌てて救急車を呼ぶことで「不審な死」とされ、警察が呼ばれたり検死解剖に至ることも少なからずあります。このような大変なことに巻き込まれないことはメリットに値します。

しかしながら、病院死が本当に本人の望むものかをじっくり聞き出し、家族で相談することが本人のためであることは間違いありません。

まとめ

病院死とは、現代の日本人にとって「当たり前」の状態となっていますが、自宅での介護が増える中で自宅死も増加傾向にあります。病院死については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 病院死とは、最期のときを病院で迎えること
  2. 病院死の割合は75.6%(2013年現在)。介護老人保健施設や老人ホームで最期を迎える人は増加傾向
  3. 自宅で死を迎えたいという希望に沿うため、医療機関や医療スタッフの連携が必要。訪問看護ステーションの利用者数も増えている
  4. 病院死のメリットは、「最期まで病と闘いたい」という希望に沿えること