共依存とは

共依存とは、夫婦・親子など対になる者同士がお互いに依存しあい、結果として双方の自立を阻んでしまっている状態のこと。

世話をすること・されることを望み、それにより自分の存在価値を見いだすことで、お互いに囚われあった関係となります。

世話をしあう関係は基本的に望ましいものですが、度を過ぎると「私がいなければこの人は生活できない」と思い込むこととなり、ときとしてDVや過保護といったいびつな人間関係に発展します。

介護の場面においては、要介護者が自分でできることでもしようとしない、介護する方が何でも自分でしすぎて要介護者のできることを取り上げてしまうといった現象を引き起こしてしまいます。

1.親子間・夫婦間の共依存

相手に求められることを自分の価値と受け止める共依存は、夫婦間・親子間では少なからずある傾向です。しかしながら長期間にわたるかもしれない介護の場面では、この共依存が介護そのものを阻害してしまうことがあります。

夫婦間で介護をする、親子間で介護をするとき、

  • 介護サービスの利用を拒む(世話をしなければならないのは私なのに、と罪悪感を感じる)
  • 介護サービス利用の際、要介護者の状態を逐一チェックする(他の人との接触を楽しんでいることを恨めしく思う)

などといった心理的動きが生じます。これらの心理的作用から、他の人を介護の場に入れたくないと考え始め、介護をする方自身が介護に疲れきっていくという悪循環を生むことがあります。

2.共依存の診断

共依存とは、病名ではありませんし、明確な定義もありません。そのため、心療内科などへ赴いても共依存と診断されることはありません。しかしながら、その傾向は指摘してもらえるはずですので、「もしかしたら」と気づいたときに早めに相談にいくことをおすすめします。

介護の場においての共依存は、要介護者の自立のこころを摘み取ってしまう可能性を高めてしまいます。要介護者にできるだけ健康に長生きして欲しいのであれば、以下のことを心がけてください。

  • 自分でできることは自分でしてもらう
  • 介護サービス利用など他の人と接触するチャンスを活用する

最初はきもちに揺らぎを覚えるかもしれませんが、家の中での介護にはいずれ限界がきます。「親子で共倒れ」といった悲しい状態を避けるためにも、こころを強くもってください。

3.共依存を克服するきっかけは「気づき」

共依存は、確かに心理的な状態のことを示すものではありますが、薬で治るものではありません。

ときとして「私がいなければ」とこころを傷めるあまりに息苦しくなったり、眠れなくなったりと身体的現象が現れるようであれば、心療内科をたずね、薬の処方をしてもらわなければならないでしょう。

しかしながら、共依存そのものへの治療法はないのが現実です。あるとすれば、丁寧なカウンセリングをしてくれる心療内科を探し出し、話をすることで自分の姿を客観的に捉えることで気づきを得ることでしょう。

介護の現場で夫婦・親子の共依存関係を多く見ているのは、相談窓口として機能しているケアマネージャーでしょう。もしもご自身でその傾向を感じたのであれば、相談してみてください。しかるべき医療機関なり、対処法なりを教えてもらえるはずです。

まとめ

共依存とは、お互いを必要とする人間の“当たり前の感情”が結果的にいびつになったものです。共依存については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 共依存とは、お互いに依存しあうことで双方の自立を阻んでしまう「よくない状態」
  2. 親子や夫婦間の共依存は少なからずあること。しかしながら要介護者の自主性を奪う・介護する人が介護疲れする原因にもなる
  3. 「共依存」という病名はない。共依存という診断はくだらない
  4. 身体的現象が現れるときは薬の処方を求める。自分の姿を客観視すること、他の人に助けを求めることで克服のきっかけを得る