動物介在療法(アニマルセラピー)とは

介護に役立つ用語集

動物介在療法(アニマルセラピー)とは、こころと体の活性化を図るために、動物とのふれあいを行うこと。

人間は、自分より小さいものや、自分を慕ってくれるものをかわいらしく感じ、心をひらくものです。この効果を医療や介護の現場でも実現するため、人に慣れた犬や猫などを施設内に呼び、患者・要介護者にあてがうことでストレスを解消しようとする試みが始まっています。

自宅でペットを飼っていれば、可能な限りエサやりや散歩などの面倒をみたいと思う要介護者も少なくないでしょう。こころと体の両面への効果が期待されているのが動物介在療法です。

1.動物介在療法の効果

人には話しづらいことも、犬や猫などの小さな動物には話しやすいものです。たとえ言葉を発することができなくても、触れ合うことでコミュニケーションがとれます。コミュニケーション能力が高いとされる馬が用いられることもあります。

小さな子どもがいることで親や祖父母の関係性を強くするように、医療や介護の現場でもスタッフと高齢者・患者の間の警戒心が解けることがあり、これを生活の質(QOL)向上に役立てます。

犬での動物介在療法については、ストレス・不安・悲しみなどが軽減され、喜びや落ち着きなど心理面でのプラス作用があることが海外で多く報告されています。また、馬に乗ることで特定の筋肉を鍛えることができ、体を動かしやすくなったという事例もあります。

しかしながら、動物が嫌い・犬や猫の毛のアレルギーを持つ人もいますので、注意が必要です。

2.動物介在療法の普及

海外では多くの良い報告があるにも関わらず、日本ではその普及は進んではいません。

  • 厚生労働省が認可していない
  • 動物介在療法への理解が進んでいない

ことが理由です。

確かに動物介在療法が「治療法」であるとするなら、動物を管理するハンドラー、担当医、医療スタッフ、記録係などが必要となり、医療費は高額となってしまいます。

欧米では、Animal-assisted therapy(AAT)は治療目的として採用されることもありますが、日本では一部の団体が認可されているのが現状です。

3.動物介在療法士とは

日本ではまだ普及の遅れが目立つ動物介在療法ですが、今後さらに進む高齢化社会に対応するため、ニーズの増加が見込まれています。動物介在療法にかかわる仕事は動物介在療法士と呼ばれています。

専門学校などで

  • 動物介在療法・アニマルセラピーに関する知識
  • 動物の飼育・展示に関する知識
  • 高齢者・障害者・病人に関する知識

を取得します。
2017年現、在資格は不要ですが、もしも今後動物介在療法が広く知られ、厚生労働省にも認められることになれば、そのニーズは高いものと考えられます。

実際、精神科分野の病院でデイケアプログラムに取り入れているケースがあり、そこでは就労継続支援事業所で精神的障がいを持つ人の「仕事」にもなっています(アニマルセラピー(動物介在療法)│社会医療法人平松病院)。

まとめ

動物介在療法(アニマルセラピー)とは、心と体の両面にプラスの効果を与えるものとして知られはじめています。動物介在療法(アニマルセラピー)については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 動物介在療法(アニマルセラピー)とは、動物とのふれあいで心と体を活性化させる目的で行われる
  2. 動物介在療法は、心理的な問題を軽減してくれる効果がみられる。乗馬により筋肉を鍛え、体を動かしやすくなる例も
  3. 動物介在療法は、日本ではまだ普及していないが潜在的ニーズは高い
  4. 公的資格は確立されていないものの、動物介在療法士と呼ばれる人も。動物・セラピー・高齢者/病人に関する広い知識が必要