高齢者虐待とは

高齢者虐待とは、心身ともに弱くなってしまった高齢者に対し、身体・精神・経済・性的な面から虐待すること。介護の放棄も含む

これらの虐待は、基本的な人権を侵害するもので、特に起きた事柄をうまく説明できない高齢者や認知症の場合、発見が遅れることにより生命・経済的な危機につながることがあります。

家庭内で介護をしている場合、発見や介入が難しい面が指摘されています。

1.高齢者虐待の種類

上で触れたとおり、大きく身体的・精神的・経済的・性的虐待・介護の放棄があります。

  • 身体的虐待=殴る・つねる・髪をつかむ・拘束など
  • 精神的虐待=罵倒する・侮辱する・脅すなど
  • 経済的虐待=預貯金など本来その人が管理すべきものを不正に他の人が使用する・売り払う
  • 性的虐待=性的暴力ならびにDV
  • 介護の放棄=介護を意図的に怠り褥瘡(床ずれ)やおむつかぶれを悪化させる、食事を作らない、病気になっても病院に連れて行かないなど

このように、種類こそ違っても、要介護者の「最低限の人間らしさ」を踏みにじる行為が高齢者虐待にあたります。家庭内のみならず、入居・入所するタイプの老人施設でも高齢者虐待が行われたというニュースが見聞きされます。

2.高齢者虐待が起こる原因

高齢者虐待は、年々増加しています。入居・入所することで介護を受けなければならない高齢者の増加と比例しています。
厚生労働省がまとめた「平成27年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」では、それらの原因について以下のようにまとめています。

  • 教育・知識・介護技術等に関する問題(65.6%)
  • 職員のストレスや感情コントロールの問題(26.9%)
  • 虐待を行った職員の性格や資質の問題(10.1%)

※複数回答

そのうち、虐待の程度が最も軽いとされる「生命・身体・生活への影響や本人意思の無視等(47.6%)」が25人でトップ、最も重い「生命・身体・生活に関する重大な危険(3.2%)」が25人、「死亡事例」は1件となっています。

3.高齢者虐待を察知したらどのように通報すべきか

施設で虐待が起きたと思われる場合は、まず市区町村に報告するよう高齢者虐待防止法で定められています。直接市区町村に報告せずとも、お住まいの地域にある地域包括支援センターに相談という形で知らせるのもひとつの方法です。

しかしながら、通報したところで「実際は違った」というケースも少なからずあるでしょう。それが心配なばかりに通報しないのはよくありません。法は通報者情報を漏洩することを認めていませんので勇気をもって通報しましょう。

もしも近所の家庭で実際に暴力振るっている場面を察知したら、迷わずに警察へ通報します。生命の危機にもつながりかねない状況はすぐにわかるでしょうから、よその家庭のことであっても「お節介」が必要です。

まとめ

高齢者虐待は、いまや「他人のこと」ではなくなりはじめ、私たちの身近なところで起きる問題となっています。高齢者虐待については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 高齢者虐待とは、身体・精神・経済など「その人の基本的な人権」を踏みにじる行為
  2. 高齢者虐待の種類は多岐にわたるが、中には介護の放棄など家庭内で起きるものも
  3. 高齢者虐待が起きる原因は、教育や知識の問題・職員のストレスの問題・職員の性格の問題が上位に入る
  4. 高齢者虐待を察知したら地域包括支援センターへ知らせる。家庭内介護で暴力を見聞きしたら必要に応じて警察へ

 

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