血栓とは

血栓とは、血液中の血小板やフィブリンなど凝固しやすい成分が血管内で塊となること。

外部から見える・見えないを別として、ケガをした箇所の血管から出血することを止めるのが血栓の役割です(凝固/止血)。出血が止まると、自然と血栓は消えます。

しかしながら、この自然な溶解作用が働かない・高脂血症など体質的な問題があるとき、血管の中にできた血栓は消えず、ときとして大きな問題を引き起こします。

1.血栓の引き起こす血栓塞栓症

血管そのものが傷つき血栓ができてしまった、もしくは血流が悪くなったことで血液が固まりやすい条件となったとき、血管内で大きな血栓ができてしまいます。

皆さんご存知なのは、「エコノミークラス症候群」という言葉でしょう。狭い客席で長時間縮こまっている・災害時の連日の車中泊など、手足を自由に動かせない環境にいることで血流が悪化すると、特に膝下の奥深くにある深部静脈に血栓ができやすくなります(深部静脈血栓症)。

この血栓が何らかのタイミングで血流に乗り、肺に達したとき、呼吸が苦しい・動悸がする・胸痛などの症状を発症したのち、最悪の場合死に至ります(肺塞栓症)。血栓が脳にいたることで脳梗塞を起こすこともあります。

血栓は、手足の自由が効かず長時間同じ姿勢(寝たきり)の要介護者や、骨折などで長期間安静を強いられる方にも起こりやすいものです。

2.血栓症の発見と治療方法

血栓ができてしまった場合、詰まった血管周囲の部分がしびれたり、皮膚が赤黒くなったり、腫れたりします。このようなときは、すぐにかかりつけ医を通して循環器科などへ紹介してもらいます。

血栓症と診断されたら、まずは入院を勧められるでしょう。血栓を溶かす薬(ウロキナーゼ)を24時間点滴し、検査の結果ある程度の溶解が認められたら、血栓ができるのを予防する飲み薬(ワーファリンなど)に切り替え退院、定期通院しながら血栓のできた部分の血管状態を観察するという治療法を採用することが多くあります。これらの薬剤を使用している間は、出血が止まりにくくなりますので、ケガや歯科治療に注意が必要です。

しかしながら、体質によってウロキナーゼが使用できない、閉塞性動脈硬化症(血管が完全に詰まる)だったときは、カテーテル手術で下大静脈フィルターを挿入することもあります。

3.血栓の予防法

体質的に血液が固まりやすい方以外の血栓は、上記でも触れたとおり、体を動かさないことがきっかけで起こります。これを予防するためには、血栓ができやすい部位(特に下肢)を定期的に動かす必要があります。

自分で足を動かせる場合は、立ち上がる・歩く、足の甲を上げふくらはぎを伸ばすなどの運動が血栓予防になります。もしも自分で足を動かせない方の場合は、弾性ストッキング(ふくらはぎに圧力をかけるもの)を着用してもらう、定期的に無理のない範囲で膝の曲げ伸ばしを手伝うことで予防します。

血液そのものが固まりやすい状態に陥ることを防ぐため、こまめな水分の摂取や、高脂血症とならないよう食生活を見直すことも重要な予防法です。

まとめ

血栓とは、体の自然なしくみのひとつではありますが、ときとして重大な問題に発展するものです。血栓については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 血栓とは、血管内で血液が固まること。止血のために欠かせない仕組みではあるが、ときに問題を起こす
  2. 血栓ができ、それが血流に乗り肺や脳に達すると、ときに死を招くことも
  3. 血栓が認められたら、血栓を溶かす薬・血栓ができるのを予防する薬で対処。時に手術を要するケースもある
  4. 血栓を予防するには、運動が有効。水分不足や高脂血症とならないよう食生活の見直しも大切

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