抗生物質(抗菌薬/抗生剤)とは

抗生物質(抗菌薬/抗生剤)とは、体内に入り込んだ細菌などの増殖抑制や死滅を目的として投与される薬。

病気の原因菌に適したものが処方されるほか、手術などのあとに入り込むことが予想される菌の増殖を予防するために用いられることもあります。

しかしながら、抗生物質にも耐える「耐性菌」が発生していることも知られていますし、医師も「念のため処方する」「様子をみた後で処方したい」に二分されているのが現状です(医師の意見は真っ二つ 子どもに抗生物質処方するか│AERAdot.)。

1.抗生物質は風邪・歯科治療・膀胱炎のときなどにも

抗生物質は、体力の弱い高齢者が風邪をひいたときにも処方されます。風邪もウイルスが原因で発生するもので、これが気管・気管支に広がると肺炎を起こし、ときとして呼吸不全から死亡に至ることもあるからです。

歯科治療の中でも、膿んだ状態が続くときにも抗生物質が処方されます。膿による腫れがひかないと治療に入れないからです。また、表に見える部分を取り、歯の根の治療(根管治療)をするときも抗生物質を処方し、細菌感染が起こったときの腫れを確認したときに飲むよう勧められることがあります。

膀胱炎のときもやはり抗生物質が処方されます。細菌が膀胱で炎症を起こし、痛み・血尿などの症状を経て高熱を発する腎盂腎炎につながることもあるからです。

抵抗力の弱い高齢者には、主な病気をこじらせた後に起きるその他の病気を抑制する意味で、抗生物質が用いられることがあります。

2.抗生物質は市販されているのか

風邪や歯の治療時、膀胱炎などで用いられる飲み薬の抗生物質は市販されていません。原因となる主な病気は何なのか、つまり感染症の原因菌は何なのかは医師でないと判断できないからです。

先にも触れたとおり、抗生物質とは病気の原因菌に適したものが用いられます。見当違いのものを使用すれば、効果がないどころか、他の薬との飲み合わせにより急激に体調を崩してしまう、耐性菌を生んでしまうことにもつながり、とても危険な行為となります。これを避けるため、医師の処方でしか手に入らないようになっています。

一方、塗り薬タイプの抗生物質は市販されています。皮膚炎・傷のただれ・にきびに対応した外用薬はドラッグストアでもよく目にするものです。しかしながらこれらも長期連用すると耐性菌を生むことがありますので、説明書どおりに使用しなければなりません。

3.抗生物質の副作用

抗生物質は、ときとして体に有用な常在菌をも殺傷することがあります。これにより、下痢・便秘や、カンジダ症などが起きることも珍しくありません。

特に菌が多く集まる腸内の良い菌まで減ってしまうことで、「抗生物質を飲むと便秘になる」「おなかを下す」ことを経験する方は多いものです。また同じ消化器のトラブルとして、「抗生物質を飲むと胃が痛くなる」といったこともあります。

副作用の中で特に大きな問題となるのが、アナフィラキシーショックです。アレルギー症状の一種で、皮膚や粘膜に赤い腫れ物ができ、呼吸困難に陥ってしまうこともあります。湿疹や皮膚の赤みを発見したら、すぐに医療機関へ赴くか、救急車を呼びます。

他の薬との飲み合わせが良くないことも起こりうる問題です。通院のときには「お薬手帳」を携帯することを忘れてはなりません。

まとめ

抗生物質(抗菌薬/抗生剤)とは、細菌・ウイルスなどによる大病を回避するために必要な薬です。抗生物質については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 抗生物質とは、体内に入り込んだ菌の増殖を防いだり死滅させるために投与される薬
  2. 抗生物質は、身近な風邪・歯科治療などにも用いられる。抵抗力の弱い高齢者の場合、併発する病気を抑制する意味でも用いられる
  3. 抗生物質(飲み薬)は市販されていない。塗り薬は市販されているものの、長期連用は禁物
  4. 抗生物質による副作用は、便秘や下痢など軽いものから、重篤なアナフィラキシーショックまでと広い。皮膚の赤み・湿疹を見つけたらすぐ病院へ

ピックアップ記事

関連記事一覧