在宅介護

介護保険制度とは?利用できるサービスと流れを解説

介護する方・介護される方にとって、介護保険制度はとても気になる存在です。自分たちが希望する「介護スタイル」にどう活用できるのか、申し込むにはどのような手続きを踏まなければならないのかなど、介護保険制度そのものに関する知識が必要です。

今回は、介護保険制度がなぜ生まれたのかという背景の部分から、介護保険制度がどのように運営されているのか、どうすれば使えるようになるのかについてご説明します。

1.介護保険制度が生まれた背景

そもそも、介護保険制度がうまれた理由はどのようなものなのでしょうか。端的にいえば、

  • 少子高齢化が進んだこと
  • 核家族化が進み、子が親の世話をすることが困難であること

が主なものです。

私たち一人ひとりが、子として親や祖父母を支えるときに必要なもの、それが介護保険制度なのです。

※介護保険制度のできた理由や仕組みについては、以下を参考になさってください。

2.介護保険制度を利用する方法

介護保険制度を利用するには、いくつかの条件が求められます。公的なサポート制度であるだけに、だれもが、好きなだけ使えるわけではありません。

2-1.被保険者であり、要介護・要支援の認定をされていること

介護保険制度を利用する最低条件は、利用しようとする本人が「被保険者」であることです。介護保険料を支払っている65歳以上の方が対象ですが、場合によっては40歳以上の方が利用できることもあります。

被保険者区分 【第1号被保険者】65歳以上 【第2号被保険者】40歳以上
介護保険制度の利用条件
  • 認知症や寝たきりなどで、介護が必要であると客観的に認められる状態
  • 日常生活(家事など)に深刻な支障があり、支援が必要であると認められる状態
  • がん(末期)
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病とその関連疾病
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

2-2.要支援・要介護認定はどこに相談する?どう決められる?

上記の状態であることを「公的に認めてもらう」ためには、まず地域包括支援センターや市区町村の福祉関連窓口へ相談してください。状態によって、

  • 要支援(2段階)
  • 要介護(5段階)
  • 非該当

とされます。

調査員の聞き取り調査(認定調査票作成)、そして主治医から提出される書類(意見書)とを併せ、審査会を経た後に決定が下ります。認定の程度により介護サービスの利用がどの程度必要か(=支給限度基準額・サービス利用の上限)もここで定められます。

2-3.在宅介護で利用できるサービスには何がある?

在宅介護で必要なサービスは、大きく「自宅で受けるもの」、「施設に通所・入所するもの」に分けられます。要介護度が低くても、介護生活が長くなったりするとどうしても家族への体力的・精神的負担も大きくなります。また、要介護度が上がらないよう、適切なリハビリをうけるために必要に応じて施設への一時的な入所・通所も認められることがあります。

※介護保険制度を利用した費用負担の例については、以下の記事もご参考になさってください。

2-3-1.在宅で利用できるサービス

自宅にいながらにして利用できる介護保険制度サービスには、以下のようなものがあります。

  • 訪問介護=食事や排泄の手伝い、家事の代行をしてくれる
  • 訪問入浴=自宅のお風呂が狭い・介護者の人数が不足している・介護者の体力がないときに訪問入浴専用車が来てくれる
  • 定期・随時巡回・夜間対応型訪問介護=要介護者が一人暮らしの場合、定期的な見守りへの対応・緊急のときの対応をしてくれる
  • 訪問によるリハビリテーション=寝たきりにならないよう、歩行訓練などを受けられる
  • 居宅療養管理指導=医師・歯科医師・薬剤師などの訪問で診療や服薬指導が受けられる
  • 介護支援=介護サービスをどのように利用できるのか、どう組み合わせればよいのかなど、ケアマネージャーが相談に乗ってくれる

2-3-2.通所で利用できるサービス

必要に応じて施設へ通所・入所(短期滞在)し、必要なケアを受けられるサービスには、以下のようなものがあります。

  • デイケア(通所リハビリテーション)=自宅では困難な歩行訓練などのリハビリを受けるため、介護施設へ日帰りで通う
  • デイサービス(通所介護施設)=食事・入浴などの介護サービスに加え、機能訓練を受けるため、介護施設へ日帰りで通う

3.在宅での介護生活中、外出や体調不良で困ったときには「ショートステイ」を利用

介護生活のなかで、冠婚葬祭といったイベントごとで家を空けざるを得ないとき、もしくは介護者が体調を崩してしまったときでも、要介護者の身体的求めは変わりません。そのようなときは、ショートステイ(短期入所生活介護)を利用できます。

要介護1~5と認定された方であれば必要に応じて利用することができますが、介護保険で負担額を軽減できるのは、連続30日までです。ただし、介護者が入院しておりその期間が長引きそうなときなど、客観的事実で致し方ないと判断されたときは、例外として取り扱ってもらえることもあります。

ショートステイは、要介護者を保護し、介護する方の負担を軽減するのが目的です。いわゆる「老老介護」「ひとり介護」、ないしは「家族での介護」でも、介護者が疲れ切ってしまう前に負担できる費用の範囲内で利用し、介護者が心身ともに健康を維持することも重要です。

デイケアを利用するためには、ケアマネージャーに相談し、受け入れてくれる施設を探してもらう手順を踏みます。介護者が突然倒れた・交通事故に遭ってしまったなど、急遽介護の手が必要となったときは、在宅で受けられる介護サービスを利用しつつ、ショートステイの受け入れ先を探すことととなります。

4.どんなささいなことも地域包括支援センターに相談を

介護にまつわる悩み事、手助けして欲しいことを相談できるのが「地域包括支援センター」です。自治体により設置されているものですが、介護に必要なケアプラン(介護保険で受けることのできるサービス内容・利用する日時・施設をプランニングすること)や、介護の際に気をつけることへのアドバイスをしてくれます。

在宅介護生活では、どうしても人との関わりが薄くなり、介護者が悩み事を抱えたままになりやすくなります。サービスの相談に訪れる際に、今の悩みや、将来への不安についても聞いてもらえるよう依頼してみてください。「総合相談」では、介護保険を活用したサービスの紹介のみならず、介護のコツについて教えてくれることもあります。高齢者総合相談センター【地域包括支援センター】│新宿区)。

まとめ

在宅で介護をする場合でも、介護保険を用いて活用できるサービスがいくつもあります。中には、介護者の「いざというとき」のための受け入れをしてくれる施設もあります。体調不良や悩み事を抱え込まないよう費用の許す限りサービスを活用し、無理のない介護生活を送ってください。今回ご記憶いただきたいのは以下の5点です。

  1. 介護保険制度は、少子高齢化の中でもより質の高い介護を行うための仕組み。公的サポートであるだけに、好きなだけ利用できるものではないことに注意
  2. 介護保険制度は、【第1号被保険者】65歳以上/【第2号被保険者】40歳以上で、要支援・要介護と認定された人が利用できる。判定の結果、要支援(2段階)・要介護(5段階)・非該当となる。
  3. 在宅介護でも利用できるサービスは多岐にわたる。訪問介護・訪問入浴・定期ないしは随時巡回・居宅療養管理指導・介護支援など、生活の支援から医師による診療まで幅広い
  4. デイケア・デイサービス・ショートステイなど、1日(日帰り)から数日にわたる通所・入所も力強い味方。これらを上手に組み合わせて、介護者も介護される方も無理のない生活を送る工夫を
  5. 介護生活で困ったときは、地域包括支援センターへ相談する。ケアプランの立案から見直し、介護のコツを教えてくれることも。何をどう相談したらいいのかわからないときは「総合相談」窓口へ
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