介護職の夜勤はつらい?その実態と5つの工夫をお教えします

介護職で一定の経験を積んだ方には「そろそろ夜勤を入れてみては」といった打診があることでしょう。

介護職における夜勤はどのようなものでしょうか。夜勤に伴う悩みやイライラポイント、気になるお給料など、事前に知っておきたいことは多くあります。

今回は介護職の夜勤についてご説明します。夜勤を打診されたときに確認しておくべきこと、引き受けることになった場合の心構えなどをお伝えしますので、より良い仕事のためにお役立てください。

1.統計からみる介護職の夜勤

まず、介護職における夜勤の実態から見てみることにしましょう。ある調査では、

  • 2交替=86.7%
  • 3交替=8.4%
  • 当直と3交替の混合=2.1%
  • 2交替と3交替の混合=1.4%
  • 当直と2交替の混合=1.4%

と、2交替が最多となっています(2015年介護施設夜勤実態調査結果│日本医療労働組合連合会)。2交替での夜勤はとてもつらいものです。

この調査では、以下のように分析しています。

この調査では、深夜勤を22時前後から開始する3交替夜勤の施設が複数ありました。長時間夜勤をなくすという点では評価できますが、暦日2日に対して勤務日数は1日(勤務)となるため、休日(公休)を繰り入れられているケースが見受けられます。

しかし、休日であるにもかかわらず、暦日で1日となっていないことや、休みであるにもかかわらず何の予定も組めず、ただ休息のために使わざるを得ないという問題があります。

こうした問題を払拭するためにも、医労連が提唱している夜勤実施者には「勤務免除日」を設け、週労働32時間の実現を図ることが夜勤の負担軽減にとって重要となります。(2015年介護施設夜勤実態調査結果│日本医療労働組合連合会

もしも夜勤を打診されたのなら、改めて夜勤開始時間や交替制を確認し、家庭や体調に影響がでないように調整することを願い出る勇気も必要です。

2.介護職の夜勤、仮眠はどうしている?

通常、人の体は夜休むようにできていますので、そのサイクルを崩す夜勤では、少しの時間であっても仮眠をとることが大切です。

そのことを認めるのが労働基準法第34条で、「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」としています。

先の調査では、2交替/3交替、そして施設別で休憩や仮眠時間について次のような表を示しています。

(2015年介護施設夜勤実態調査結果│日本医療労働組合連合会)

 

介護職の夜勤は18時間となるケースも少なくありません。夜勤はふたり以上の体制でしょうか。そして休憩のための部屋(仮眠室など)があるでしょうか。仕事の面でも、体調管理の面でも問題をきたさないよう、必要な事柄を満たしているかどうかを確認してください。

2-1.夜勤の前後に行うと良いことは何?5つの工夫

もしも夜勤を打診され、実際にそれを受け入れた場合、生活のリズムが崩れてしまうことについて少々の覚悟は必要です。自分自身でできる仮眠への対策はいくつかありますので、合うものを見つけておくのもよいものです。

2-1-1.「眠りに入るサイン」(入眠儀式)で自分に眠りのクセ付けを

今、毎晩眠る前に必ず行っていることはありますか。たとえば

  • ベッドに入る前に必ずこころが落ち着く音楽を聴いている
  • ストレッチを行ってからベッドに入る
  • 温めたミルクを飲んでからベッドに入る

などです。このような「眠りに入るためのサイン」を体に記憶させておくと、入眠がスムーズになるといわれていますので、職場でも行えそうなことを日頃から取り入れておくのもよいものです。

2-1-2.仮眠前のタバコはNG

もしも喫煙習慣があったとしても、仮眠前のタバコは避けましょう。タバコにはニコチンが含まれているのはご存じでしょう。このニコチンは覚醒作用がありますので、短時間の眠りにとっては大敵となります。

2-1-3.コーヒーを飲んでから仮眠を

コーヒーはカフェインを含んでいます。カフェインは「目覚めのため」と思われがちですが、その効果が現れるのはコーヒーを飲んでから30分ほど後からです。

短い仮眠しか取れないとわかっているのなら、眠る前にコーヒーを、という方法もおすすめです。

2-1-4.自宅では静かな部屋を確保する

ご家族数名で暮らしているのであれば、ご家族のうちどなたかの部屋のうち、日中静かな部屋を借りて休むのもひとつの方法です。

できるだけ暗く、通りから離れていて静かな部屋はないでしょうか。昼間の睡眠を邪魔されないよう眠りに適した部屋を確保し、遮光カーテンや耳栓を利用することで外部からの刺激をシャットアウトする工夫をしてください。

2-1-5.夜勤明けの過ごし方は「寝すぎない」

確かに夜勤明けともなると、身体的・心理的ストレスも蓄積し、疲労困憊といった状態かもしれませんが、眠りすぎはよくありません。

夜勤明けで次の仕事まで12時間以上空いているといっても、連日夜勤ではないでしょう。体を日勤のペースに保つため、昼間の眠りはほどほどにし、夜にしっかりと睡眠をとるのが望ましいものです。

3.介護職の夜勤にありがちなイライラは何?

介護職の夜勤には、イライラさせられがちな要素が多くあります。その多くは、「入居者(入所者)数に対し夜間スタッフの数が少ない」ことに起因します。

たとえば

  • ナースコールが鳴り止まない
  • 仮眠が取れない
  • 夜食が取れない/取れてもゆっくり食べられないので栄養が偏る
  • いわゆる「ワンオペ」でこころに余裕がなくなってしまう

もしもこれら「イライラポイント」が重なり、体調を崩す・仕事にも支障をきたしてしまうことが予感されたら、早めに仲間や上司に相談してください。体調不良で突然シフトに穴を空けてしまうより、早めの対策を打つほうがよいものです。

雇用主の側としても、体調急変を訴える人が続出し、サービス提供そのものがままならなくなるより、シフトや人員の見直しを行う方を選んでくれるのではないでしょうか。

4.「夜勤の給料(夜勤手当)」の相場はどのくらい?

一晩で5,000円~12,000円が夜勤の給料(夜勤手当)の相場のようです。2交替か3交替か、また施設の性質によって変化します。

(2015年介護施設夜勤実態調査結果│日本医療労働組合連合会)

どうしても負荷がかかってしまう夜勤ですが、なんとか頑張れるのは「夜勤は給料がいいから」「夜勤手当がうれしいから」という面も少なからずありますので、きちんとチェックしておきましょう。

夜勤にかかる給料の計算法は、労働基準法により次のように導き出します。

夜勤が17時から翌日10時だった場合、17時間勤務となります。そこから1日の勤務時間(8時間だった場合)を勘案し、残る9時間に以下の計算を当てはめます。

  • 時間外労働(いわゆる残業)=時給相当額×残業時間×1.25

17時間のうち8時間は通常の勤務時間ですが、この勤務時間のうち22時から5時までの間は深夜労働となりますので割増されます。

  • 深夜労働=時給相当額×深夜労働時間×0.25

もしも契約書の中に夜勤の深夜割増額を含んだ金額が示されていたのならば、割増支給は得られません。まずは契約書の再確認をしてみてください。

5.夜勤専門という働き方も

既に介護職の経験も豊富で、夜の要介護者への対応にも慣れているという方なら、「夜勤専門」という働き方もあります。2018年1月現在、東京都で夜勤専従の求人情報では1度の夜勤で18,000円~24,200円が相場となっています。

このような働き方は、「ステップアップのため資格取得の勉強時間がほしい」など自由に使える時間を増やしたい方には大きなメリットとなります。

5-1.社員としての夜勤専門

介護施設では、日中、各種イベントごとが企画・実施されることも多くあります。通常の仕事に加え、これらのイベント準備に時間を割くのは、「正直面倒くさい」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

社員としての夜勤専門という働き方は、日中の施設イベントに振り回されたくない、淡々と仕事をしたいという方にも向いているといえるでしょう。もちろん、日勤+夜勤で生活サイクルが狂い体調管理が難しくなってきたことを理由に、夜勤専門での勤務を希望する方もいらっしゃるはずです。

5-2.派遣としての夜勤専門

既に介護職で多くの経験を積んでいる方は、介護専門の派遣会社に登録し、夜勤専門スタッフとして施設を紹介してもらうという方法があります。

派遣会社が求める人材は、「即戦力であること」です。実力が認められれば、派遣会社との間で雇用契約が結ばれますので、派遣先の施設から「残業して欲しい」など必要以上の働きを求められることもありません。

もし仮に残業せざるを得ない事態となり依頼を受けなければならなくなったときは、派遣会社と施設との間で話し合いが持たれ、必ず残業手当が支払われます。

6.夜勤なしで働きたいときは

介護職で夜勤なしの働き方をしたいときは、訪問介護サービス事業者での仕事を探してみるのもひとつの方法です。

施設とは異なり、介護サービスの提供は基本的に日中です。施設側から夜勤を打診され断ったことから雇用主や周囲との人間関係が悪化し働きづらくなるよりは、訪問介護サービスに方向を変えてみるのもよいでしょう。

近年では24時間対応の訪問介護サービス事業者も現れ始めていますが、まだまだ多くはありません。その点から見ても、夜勤なしで介護職をスムーズに続けたいときのひとつの方法が、訪問介護サービス事業者で働くことです。

まとめ

介護職の夜勤は、近年「ワンオペ」などのことばで表されるように、つらいものとして認識されています。しかしながら、入居・入所者は夜間の助けを必要としているのが“現実”で、職員も夜勤から逃れられない・逃れにくいのも事実です。

今回は夜勤との上手な付き合い方、夜勤と給料(夜勤手当)、どうしても夜勤をしたくないときなど、夜勤にまつわることをご説明しました。特に以下の5つのポイントを理解しておきましょう。

  1. 介護職の夜勤は、2交替が86.7%と最多。長時間労働であること、夜勤明けの日が暦日で1日となっていないケースもあり「つらい」のが現実
  2. 夜勤で重要なのは「仮眠」。少しでも睡眠を確保できるよう、自分自身にあった「入眠儀式」を身につけておくことで乗り切る
  3. 夜勤でのイライラは、入居・入所者に対し夜間スタッフの数が少ないことが大きな原因。体調や仕事に影響しそうなら、同僚や上司に相談を
  4. 夜勤の給料(夜勤手当)の相場は、1晩で5,000円~12,000円ほど。深夜割増額を含んでいる契約書もあるので、必ずチェックを
  5. 夜勤専門で効率よく働くという方法もある。夜勤なしを希望するなら、訪問介護サービス事業者で仕事を探すという方法も