介護福祉士実務者研修とは?取得方法やその重要性について理解を深めよう!

介護福祉士実務者研修とは、介護の仕事をする際の「決定的なターニングポイント」となる資格です。これまで、介護の仕事の中でホームヘルパー1級ないしは介護職員基礎研修と呼ばれていた資格は、平成25年から「介護福祉士実務者研修」に統合され、介護福祉士(国家資格)までのステップのひとつとなりました。

この介護福祉士実務者研修の資格を手に入れるには、どのような方法があるのでしょうか。また、その費用や助成金(ないしは貸付事業)などについて解説します。

介護の仕事をステップアップして行きたい方に役立てていただきたいと思います。

1.介護福祉士実務者研修で何ができるの?

介護福祉士実務者研修を修了することで、以下のようなことができるようになります。

  • 痰の吸引
  • 経管栄養
  • 訪問介護サービス事業者の責任者

このことを考えても、介護職員初任者研修よりさらに一歩“前進”した仕事に取り組めることがわかります。つまり、介護職員としてより求められる人材になれるということです。

平成25年に制度が変わり、既にホームヘルパー2級+3年以上の実務経験によりサービス提供責任者となった人と、最初から介護福祉士実務者研修修了によりサービス提供責任者となった人との間には、介護報酬に10%もの違いがあります。

また、実際に給与や資格手当ても高く、時給制で働いても2,000円~、月給なら30万円~の求人も多くあります。このことから、改めて介護福祉士実務者研修の修了を決めた人も多くいます。

2.介護福祉士実務者研修は、通信教育で資格取得ができる?

介護職員にまつわる資格の通信教育は数多くありますが、この介護福祉士実務者研修も通信教育という方法で受講することができます。しかしながら、痰の吸引や経管栄養など、医療的性質をもったことも学ばなければならず、スクーリング(登校し実技の研修を受ける)ことが求められます。

2-1. 介護福祉士実務者研修のカリキュラム

介護福祉士実務者研修のカリキュラムは、介護にまつわる資格を持っているか/持っていないかによって変わりますが、もしも何も取得していない場合、450時間の受講が求められます。その内容は以下の通りです。

  • 人間の尊厳と自立
  • 社会の理解
  • 介護の基本
  • コミュニケーション技術
  • 生活支援技術
  • 介護過程★
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ
  • 医療的ケア(痰吸引・経管栄養など)★

※★のついたものは、スクーリングでの受講や演習修了が求められる。

スクーリングでは、介護の技術がどの程度であるかの評価や、通信教育で学んだことのおさらい(定着度確認)を行います。

2-2. 介護福祉士実務者研修は働きながらでも取得できる?

実際、働きながら介護福祉士実務者研修の取得を目指している人は多くいます。通信教育+スクーリングで受講しなければなりませんので、以下のことに気をつけて自分に合ったスクールを選ばなければなりません。

  • スクーリング日の振り替えができるか
  • 振り替えできる科目が少なくはないか
  • 振り替えのチャンスが多くあるか
  • もしも仕事や家庭の都合で一時的に受講できなかったとき期間延長ができるか
  • 期間延長ができるとして、費用の追加は必須か
  • 平日仕事終わりで無理なく通える時間にスタートするか
  • 土日など休みの日を使っての受講に無理は出ないか

仕事の合間を縫って学ぶのですから、これらの点を注意深く比較し、生活に無理のない資格取得ができるようスケジューリングしてください。

なお、無資格の場合は450時間、介護職員初任者研修修了なら320時間、ホームヘルパー1級の場合は95時間の受講が必要です。

3.介護福祉士実務者研修取得の費用は?

介護福祉士実務者研修を修了するための費用は、資格のない人の場合15万円程度です。既に介護職員初任者研修やホームヘルパー2級など他の資格を持っている場合、その金額よりも安くなります。

※以下の情報は2018年1月現在のものです。

ベネッセスタイルケア

3-1.最安! 中には「無料」というところも

介護職員のマッチングを行っている会社のなかには、就職先の調整を行った後、介護福祉士実務者研修の受講・修了を待って就労することを条件に、受講料を無料にしてくれるところもあります。

就労が条件ですので、単に「資格を取っておこうか」というニーズにはマッチしませんが、無資格から介護の仕事を始めたい、という人にとってはありがたいシステムです。もちろん、事前にエントリーシート提出が必要ですので、介護の仕事に対する熱意をそこで問われます。

未来ケアスタッフ

4.介護福祉士実務者研修の費用に助成金はない?

決して安いとはいえない費用ですので、補助金などはないか気になるところですが、介護福祉士実務者研修に対する助成金はあります。

厚生労働省の認める講座を受講したとき、手元から支払った費用の20%(10万円上限)が支給される制度があり、これを教育訓練給付制度と呼びます。雇用保険被保険者期間3年以上という条件がついていますが、その対象となるかどうかの詳細は、ハローワークに問い合わせをしてください(教育訓練給付制度│ハローワークインターネットサービス)。

4-1. 介護福祉士実務者研修の費用分割はできる?

講座を開催するスクールによっては、クレジットカードによる分割払いを認めているところがあります。たとえば、先に挙げたベネッセスタイルケアでは、

  • 無資格=77,760円×2回
  • 介護職員初任者研修またはホームヘルパー2級取得者=45,900円×2回
  • ホームヘルパー1級取得者=41,580円×2回
  • 喀痰吸引等研修+ホームヘルパー2級または喀痰吸引等研修+介護職員初任者研修受講=37,800円×2回
  • 介護職員基礎研修取得=18,360円×2回

を認めています(お申し込みの流れ・費用│ベネッセスタイルケア)。

他にも、ユーキャンでも、先の教育訓練給付制度を併用した場合の分割払いを、8,650円×15回で設定しています(介護福祉士合格を目指すなら、ユーキャンで!│ユーキャン)。

5.介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度を準備している自治体も!

自治体によっては、介護職員確保のため、貸付制度を用意しているケースもあります。そのような場合、主に次のような条件が付きます。

  • その自治体が管轄するエリア内に住民登録がある
  • 終了後にエリア内の介護施設などに勤務する
  • 教育訓練給付制度との併用は不可
  • 定める期間内介護施設などで勤務した場合、貸付金の返還は免除

千葉県社会福祉協議会

介護の仕事は、他の仕事と同様、職場により「合う・合わない」があります。万が一合わなかった場合に一時的に介護の現場を去り、次の職場へと転職することは認められるのか、など、心配事があれば事前に相談をした上で貸付制度へ申し込むことが大切です。

6.厚生労働省の考える介護福祉士実務者研修とは

いわゆる「2025年問題」に対応するため、厚生労働省では、介護人材の養成についてこのように考えています。

※「2025年問題」については、以下の記事もご参考になさってください。

[kanren postid=”1939″]

今後の介護人材キャリアパス│厚生労働省

これまで、介護職員が最終的に目指す資格とされる「介護福祉士」になるためのルートが複雑でしたので、この仕組みをわかりやすくすると同時に、より高度な仕事ができる「認定介護福祉士」を作りました。

これにより、資格取得ルートが明快になりました。その上、働きながらでも受講できるよう受講費用の支援、これまでに取得した資格の“読み替え”で、それまで介護の現場で働いてきた人への配慮も盛り込んでいます。

これは平成19年に発表されたものですので、これから介護の仕事に関する資格取得をしようとする人にとっては既に“過去のもの”ではあります。しかしながら、過去にはそのような時期があり、人によっては理解の仕方が違うこともある、ということだけ覚えておくとよいでしょう。

今後も、介護を求める世代の人口増加、介護の現場の問題とをつき合わせ、介護福祉士実務者研修を含む多くの資格についての見直しや修正、制度の改変が行われることも充分に考えられます。最新の情報に接することができるよう、日頃から注意をしておくことが必要です。

7.介護福祉士実務者研修を受ける人必携のテキスト、中央法規出版

どんな形であれ、お金を払って受講する前に「介護福祉士実務者研修とはどのようなものか」を知っておきたい人にとって便利なのが、次の書籍です。

中央法規出版

受講を開始するときに購入するテキストとは異なるかもしれませんが、

  • 事前に内容を知っておきたい
  • 受講用テキストと併せて複合的に学びたい
  • 資格取得後の復習に使いたい

ときにも便利です。

適宜リニューアルされている書籍ですので、最新の情報が欲しいときのために覚えておくのもよいでしょう。

他に、介護福祉士実務者研修の上の介護福祉士や、ケアマネージャーの資格試験対策書も販売していますので、必要に応じて購入を検討してみてください。

中央法規出版では、書籍のみならず、スマートフォンアプリも提供しています。介護福祉士実務者研修の上の介護福祉士、またはケアマネージャー、介護福祉用語辞典などその種類も充実していますので、これらを利用してみるのもひとつの方法です。

※画像をクリックすると、中央法規出版のページへ飛びます。必要なアプリがあれば、リンクをたどりインストールしてください。

中央法規出版

まとめ

介護福祉士実務者研修は、介護の資格の“要”ともいえるものです。段階で言えば、中級、初心者ではなく、より実践的な知識と経験が身に付いていることを示すものです。

受講するスクールによって合格率はまちまちですが、少なくとも70%~85%の人が取得できる資格ですので、茨の道というほどの難関でもありません。せっかく介護の仕事に就いている・就こうとしているのであれば、ステップアップの通過点としても介護福祉士実務者研修は「修了しておくべき資格」といえます。

介護福祉士実務者研修についてご説明してきましたが、以下の5つを特に理解しておきましょう。

  1. 介護福祉士実務者研修を修了すると、痰の吸引・経管栄養が行え、より現場で求められる人材となれる
  2. 介護福祉士実務者研修を修了すれば、時給2,000円~、月給30万円~も夢ではない
  3. 介護福祉士実務者研修は、通信教育+スクーリングで修了できる。最大450時間の学びを求められるが、働きながらでも受講できる
  4. 介護福祉士実務者研修の費用は15万円程度。人材マッチング会社や自治体が無料で門戸を開いていることも
  5. 介護福祉士実務者研修とは何かを知りたいときは、中央法規出版のテキストも。同社では便利なアプリも公開している