腸閉塞(イレウス)とは

介護に役立つ用語集

腸閉塞(イレウス)とは、何らかの理由で腸管そのものがふさがる、ないしは腸の動きが低下し腸内容物が通過しなくなった状態のこと。

人間はいずれかのかたちで栄養を摂取し、不要になったものを便として排出します。腸閉塞の理由が何であったとしても、腸の中のものの流れがスムーズでない・止まってしまっていることは明らかで、このため、嘔吐・便秘・発熱・ひどい腹痛を起こしてしまいます。

原因や状態によっては入院や手術での治療が必要ですので、便秘・吐き気を数日感じたら早めに受診しなければなりません。

1.高齢者の腸閉塞と便秘の関係

高齢者が持病の薬(特に心臓にまつわる薬)を処方されている場合、排便の際のいきみが危険であるとの観点から下剤が処方薬に含まれることがあります。これが刺激性下剤であることも少なくありません。

刺激性下剤とは、腸の動きを起こさせるもので、長期間使用することで腸が自力で動かなくなり、慢性の便秘を引き起こすことが知られています。このことから、知らず知らずのうちに「下剤は飲んでいるが便秘を起こす」ことも少なくありません。

そのような場合は、医師に相談をします。便秘の薬が原因なのか、その他の理由があるのかをはっきりさせるために、検査を勧められることがあるでしょう。腸閉塞は便秘が原因でおこることがありますので、「たかが便秘」とせず、3日以上排便がないことが続くようであれば受診することが大切です。

2.腸閉塞治療のための入院・手術

腸閉塞が腸のねじれや癒着(腸が腸や腹膜と張り付いている)、腫瘍などが原因で起きている場合、入院や手術が必要となります。

腫瘍はいわずもがな、ですが、腸のねじれ・癒着も危険で、血行障害から血流が阻害され、その部分が壊死を起こして強烈な傷みとして現れることもあります。

腸そのものに原因がある場合は、できるだけ早期に入院治療や手術が必要となります。レントゲンや血液検査、超音波検査、CT検査などを経て原因を究明し、それに即した治療に入ります。

鼻から管を入れ、詰まったところをバルーンで膨らませるイレウス管治療が行われることがあります。既に腸管が壊死を起こしている・腫瘍ができているのであればその部分を切除し、切除を免れた腸管同士を繋ぎます。もしも繋ぎ合わせるだけの長さが確保できない場合、人工肛門(ストーマ)をつくります。

3.腸閉塞と食事の関係

腸閉塞を予防するための食事・手術後の望ましい食事は、以下の通りです。いずれも硬い繊維質が少なめで「消化の良いもの」です。

  • たんぱく質=赤身牛肉・皮のついていない鶏肉・白身の魚・たまご・豆腐など
  • 糖質=おかゆ・うどん・じゃがいも・里芋・もも・バナナ・缶詰の果物など
  • 脂質=バター・マーガリンなど
  • ビタミンなど=加熱し柔らかくした野菜など
  • その他=プリン・カステラ・ゼリーなど

一方、避けたい食品は、
油や脂肪の多いもの・玄米・ごぼうやたけのこなど硬い繊維の多いもの・炭酸飲料などです。

その他、「よく噛まない」「一気にたくさん食べる」といった行為も危険です。予防のみならず、治療・手術を行った後は特に注意をし、「ゆっくり・腹八分」を心がけなければなりません。

まとめ

腸閉塞(イレウス)とは、様々原因で起こります。単に便を排出する措置をすればよいケースもありますが、ときに手術を必要とすることもあります。腸閉塞(イレウス)については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 腸閉塞(イレウス)とは、腸管のトラブル、ないしは便秘により腸が「詰まる」こと
  2. 高齢者が腸閉塞を起こすのは、ときとして下剤が原因となることも。3日以上排便がないことが頻発するようなら早めに受診を
  3. 腸閉塞の原因が腸のねじれや癒着、腫瘍の場合は手術で解消を図る
  4. 腸閉塞の予防・手術後に注意するべきことは食事。消化の良いものをゆっくり摂取し、腹八分にする