老人ホームの選び方で留意すべき6点ご紹介!早めの老人ホーム探しを!

老人ホーム

老人ホームに入ることを検討し始めるとき、「どのような選び方がよいのだろう」と悩んでしまうでしょう。それは当然のことです。愛着ある住まいや環境、家族とはなれて新しい暮らしを始めることになるので、未来に夢を抱いている若者の新生活以上に悩んでしまうはずです。

「自分の暮らし方にはどのような老人ホームが向いているのだろう」、「できるだけ家族の手を煩わせたくない」―。様々な考え・願いがあることでしょう。

では、新たな暮らしの場となる老人ホーム、「後悔のない選び方」で気をつけるべきことはどのようなものでしょうか。老人ホームの基本的なこととともに、老人ホームの選び方で欠かせない検討ポイントをご説明いたします。

1.老人ホームには、その種類によって担う役割が違う

「老人ホーム」とひとことで括られてしまう老人向け施設には、数多くの種類があります。そして、その施設ごとに役割が異なります。

まだまだ自分で身の回りのことができる方、要介護度が軽い方、ほとんどのことが他の人の手を借りないとできない方、介護以外にも医療行為を受けなければならない方…。その人その人によって、求めるものが異なることは、すぐにお解かりいただけることでしょう。

これらのニーズに的確に応えるため、いわゆる「老人ホーム」と呼ばれる施設には多くの種類があり、提供されるサービスや費用に違いがあるのです。

※老人ホームの種類や費用に関しては、以下の記事も参考になさってください。

2.老人ホームの選び方は、「逆引き」「介護サービス」が最重要ポイント

いわゆる「老人ホーム」には、今現在のその人の要介護度への対応度を求めるものではあります。しかしながら、今現在の状態がずっと続くこともあれば、要介護度が上がってしまうことも考えられます。施設によっては、いずれ来るかもしれない要介護度の上昇に対応できないこともあります。

2-1.【いつまでいられるのか】“いられる期間を逆引き”してみる

費用の問題がクリアできるのであれば、可能な限り(時には入居・入所者が亡くなるまで)長期間いられる老人ホームを探してみるのはいかがでしょうか。要介護度の上昇によって、もしくは医療行為の必要度の上昇によって退去を求める老人ホームがあるからです。

やっと環境にも慣れてきた、周りの人とも仲良くなれた、という頃に「次の施設を探しましょうか」といわれるのは心理的に大きな負担となります。また、お引越しを手伝うご家族の負担も大きくなります。

”極力長い期間お世話になれそう”な老人ホームを見つける、つまり「いつまでいられるのか」を逆引きチェックしておけば、これらの心配事から開放されます。

2-2.【連携しているサービス事業者・医療機関の豊富さ】介護・医療サービス提供内容を見てみる

「いつまでいられるのか」はその老人ホームの方針にもよります。一方、快適にその老人ホームにいられるかどうかのポイントは、連携している介護サービス事業者やクリニック(病院)のサービスがその老人ホームでどこまで受けられるのか、もとても重要です。

規約や契約上、たとえ「終身入居(入所)可」とされていても、介護度が上がってしまったとき・必要とする医療が大きく変化したときの対応度が低ければ、長くいられる場所とはいえないでしょう。

いわゆる「終末期」もそこで過ごせるのかどうか、その点もきちんと調べておきたいものです。

3.老人ホーム選びの流れ

どの老人ホームがご自分、ないしはご家族に適しているのかを調べるためには、いくつかのステップを踏まなくてはなりません。まずご自身(ご家族)でできることをご紹介します。

3-1.資料の取り寄せ

入居(入所)したいエリアにある老人ホームの資料を可能な限り多く取り寄せしましょう。最初は読み方がわからなくても、複数の老人ホームの資料を比較しながら何度も読んでいるうちにそれぞれの特徴が見えてきます。

上でも触れたとおり、

  • 長期間(できれば終身)入居・入所していられるかどうか
  • もしも要介護度が上がってしまったとき、医療行為の必要度が上がってしまったときにどこまで対応してくれるのか

どうかをしっかり読み比べます。また、

  • 夜間の人員体制

も併せてチェックしておきます。年齢が高くなると、朝方に現れる「早朝高血圧」により、脳卒中や心筋梗塞を起こしやすい傾向にあります。このような状態にも対処してもらえるよう、夜間の人員体制はとても大切です。

3-2.特にチェックしたい「重要事項説明書」

老人ホームに長くいられるかどうかの判断基準は、上に挙げたとおりです。それを文言にしたものが「重要事項説明書」です。都道府県知事に届け出る必要のある事柄をまとめたものですので、どんなに字が小さかろうが、必ず確認しましょう(老人福祉法第29条│電子政府の総合窓口e-Gov)。

この重要事項説明書には、以下のような記載があるはずです。

項目 記載されていること
事業主体や施設の概要
  • 施設の名称
  • 所在地
  • 建物の概要(どのようなつくりか、附帯する設備についてなど)
  • 開設年月日
サービスの内容
  • 入居者の状況(どのような人を受け入れているか)
  • 連携している医療機関
  • 住み替えしなければならないとき・条件
職員について
  • スタッフの人数(常勤・非常勤など勤務体系を含む)
  • スタッフの持つ資格
  • スタッフの内訳(職種別・勤務体系)
  • 夜間のスタッフ人数
料金
  • 入居一時金(頭金)や月額利用料金について
  • 入居一時金の償却方法・解約したときの返還金計算方法

施設側が「私たちの施設の特徴は○○です」と資料に記載した事柄とあわせて、この重要事項説明書を比較することが、老人ホームの選び方の大事なところです。思いのほか小さな字で書かれていることもありますが、拡大コピーというひと手間をかけてでも読み比べたいのがこの部分です

3-3.実際に出向いてみる

資料だけでは、その老人ホームの雰囲気はわかりません。静かな環境がよいのか、それともどちらかというと活気のある雰囲気がよいのか、個人の好みの問題もあります。また、何よりその老人ホームの職員の対応や入居(入所)している人たちのことも知りたいと思うのが人情です。

老人ホーム選びのフローでスキップしてはならないのは、この「実際に出向いてみる」ということです。そのことを充分に理解し、配慮している老人ホームでは、有料ながらも「1泊体験」を提供していますので、それを利用してみることも大切です。

老人ホームは、他の人と屋根を共にし、暮らしを共にするという性質を持っています。日中の雰囲気・食事・入浴・夜の雰囲気…事前に知っておきたいことはたくさんあるのではないでしょうか。

4.老人ホームの選び方で大切な条件は6つある!

老人ホームの選び方には、「様々な角度からその老人ホームを観察する視点」がとても重要です。老人ホームの公式サイトに掲載されているのは、建物の外観や内装、設備や食事といったもので、それを気に入ったからとすぐに選んでしまうわけにはいきません。では、実際に検討すべき条件についてお知らせします。

4-1.家族や友人との関わり方と入居(入所)する施設のエリア

まだ自立した生活を送れている方なら、今お住まいのエリアで入居(入所)先を見つけることで、これまで仲良くしていたご友人とも離れずにすむことでしょう。しかしながら、要介護とされ、ご家族の精神的支えが必要とあらば、お子さんなど介護する方(お見舞い・お手伝い)に来てくださる人のそばに老人ホームを探すほうが適しているケースもあります。

どのような生活を希望しているのか、今後訪れるかもしれない要介護度アップにどう対処したいのかを充分に考えてください。

今の住まいの近くであれば大きな環境の変化はないでしょうが、遠方へ「お引越し」するのであれば環境の変化に柔軟に対応する気持ちの準備をしなければなりません。

4-2.費用の問題と入居(入所)の条件

たとえ「ここがいい」と希望する老人ホームを発見できても、費用と入居(入所)条件が折り合わなければその計画は一歩たりとも進みません。この点に関しては、他のどんな条件よりも重要かもしれません。

ご本人の預貯金・年金で入居一時金や月々の費用が払えるのか、もしも家族からの援助が必要ならばどの程度見込めるのかを話し合い、費用面での目安を立てておきましょう。また、ご自分の要介護度ないしはそれ以上の人を受け入れてくれるのかを確認しなければなりません。

※老人ホームでかかる費用や、それらのお金をカバーする予算立ての方法については、次の記事も参考になさってください。

4-3.運営企業の安定性

いわゆる老人ホームは、その多くは企業が運営しています。その経営母体である業種は年々増えていて、介護サービス業者・医療系業者・不動産業者などがあります。資料をじっくり読み、その会社の経営状況をチェックしておくことも大切です。

入居一時金を多く必要とする「高級老人ホーム」などでは特に重要で、必要に応じて財務状況を開示してもらうことも必要でしょう。大きなお金が動く老人ホームであれば、「公益社団法人全国有料老人ホーム協会」に加盟しているかどうかを確認しましょう。入居者保護のための「入居者生活保障制度」などが設けられています(協会の概要│公益社団法人全国有料老人ホーム協会)。

ときに数千万円から数億円のお金を用意する高級老人ホームで「ゴージャスな老後を」と希望、実際に暮らしをスタートさせたあとに何らかのトラブルが起きないとも限りません。そのような場合に備え、チェックしておかなければならないことがこれです。

4-4.住環境の確認

老人ホームに入るということは、いわば「引越し」です。思い入れのある家具や、小さくともお仏壇などを持ち込めるかを確認してください。こころのよりどころをいくつかでも持って入ることができれば、精神的安定を図ることができます。

また、そこを「終の棲家」とするつもりであれば、窓から見える風景はとても重要です。車椅子でしか移動できなくなった、寝たきりになってしまったというケースでも、窓から入り込む光や風、眺めでリラックスすることができるでしょう。

さらに、毎日だれかと触れ合う食堂や浴室、通路などが、入居者のストレスにならないよう、好みの雰囲気を持っているかを確認してください。他の人と接することが大好きな社交的な方であれば、他の入居者と交流を持てる共有スペースが充分に確保されているかもチェックしてください。

4-5.介護体制・スタッフの資格取得状況・研修制度・医療機関との連携のチェック

介護付有料老人ホームにおいては、入居者3人に対し、介護のスタッフは1名以上置かなければならないことが定められています。これに加え、介護度を上げないために必要なリハビリ専門員がいるかどうかも確認してください。介護に必要な資格取得者が全スタッフに対し何人いるかの比率もひとつの判断基準です。

サービス付き高齢者向け住宅など、自立ができている高齢者向けの老人ホームでは、必要な介護サービスは施設外の介護サービス提供業者から受けることとなりますので、適切な連携が取れているかを確認しましょう。高級老人ホームであればホーム内にクリニックがあるかどうか、もしくは充分な連携の取れている医療機関(特に入居したい方がかかりたい科)があるかどうかも必ず確認してください。

また、日頃接するスタッフには、最新の知識やケア法を身につけておいて欲しいものです。公式サイトなどで「定期的に研修を行っています」「このような研修を行いました」といった情報を常に確認できる、もしくは実際に見学に行った際の接遇(マナー)などからそれらの“効果”をチェックしましょう。

4-6.食事のバリエーション

外出できるうちはそれなりの楽しみもあります。しかしながら、要介護度が上がったなどの理由で老人ホームに“こもりがち”になってしまったとき、生活の質(QOL)を保ってくれる要素のひとつが「食事」です。

希望する老人ホームには管理栄養士がいて、そこで食事を作っているでしょうか。もしくは外部の業者への委託をしているでしょうか。いずれにせよ、数か月分の献立表を見せてもらってください。食事のバリエーションの幅が広ければ広い分だけ、楽しみが増えます。

また、体調の面で療養食が必要となったとき・飲み込みが難しくなったときの介護食への対応ができるかも確認しておいてください。

5.【重要】要介護度が高くなってからの老人ホーム選びは難しい

いわゆる老人ホームには、数多くの種類があります。そしてその役割もそれぞれ異なります。その中でも比較的重度の方が入れる老人ホームは探すことが難しく、空きを待っている「待機老人」ということばもあるほどです。

この間、要介護者は介護者(配偶者・家族・親戚など)の手助けを得ながら自宅で待機をしなければなりません。その間にも介護者が疲れてしまい、支えることをあきらめかけてしまうことも珍しくありません。

できれば、ご自分で生活できるうちにサービス付き高齢者向け住宅などで老後の暮らしをはじめ、生活相談ができる環境を早めに作っておくのがよいでしょう。外部の介護保険事業者から提供される介護サービスの利用方法もイメージできますし、何より、元気なうちに「今後介護・医療をどう受ければよいのかのコネクション」を築くことができます。

特にひとり暮らしでだれも頼ることができないときは、まだ体が動くうちにサービス付き高齢者向け住宅など住居系の老人ホームへの入居をお勧めします。住まい確保の面でも、高齢者は冷遇されてしまうことはよく知られています。賃貸物件を契約しようにも、家主の意向で断られてしまうことがあるのです。

これら、様々な面から考えても、「看取り(終末期・ターミナルケア)対応」のサービス付き高齢者向け住宅を探し、入居相談・入居希望を早めに出しておくことをお勧めします。

サービス付き高齢者向け住宅など、住宅系の老人ホームについては、次の資料もご覧ください(高齢者向け住まいを選ぶ前に~消費者向けガイドブック│厚生労働省)。

基本的にサービス付き高齢者向け住宅は「自分で自立した生活を送れる人」が対象ですが、ある調査では

  • 看取りの実績あり=25.3%
  • 看取りの実績はないが対応は可能=32.7%

という結果が出ています(サービス付き高齢者向け住宅等の実態に関する調査研究│財団法人高齢者住宅財団)。

通常の賃貸物件プラスアルファの金額で、見守りと食事つきの住まいを確保すると同時に、外部の介護サービス業者から介護を受けることができ、看取りにまで対応してもらえるのであれば、安心して生活ができるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅等の実態に関する調査研究│財団法人高齢者住宅財団

まとめ

老人ホームの選び方には、個人個人の考え方が反映されてしかるべきです。しかしながら、「好みだから」といっても、どこにでも入れるわけではないのがいわゆる老人ホームです。自分の求めるものに応えてくれる、もしくは、将来にわたって応え続けてくれる老人ホームの選び方で大切なのは何でしょうか。今回のこのページで覚えておいていただきたいのは、以下の5ポイントです。

  1. いわゆる「老人ホーム」には多くの種類がある。現在の要介護度(要支援度)や支払える金額によって決められることが多いが、状態によっては待機老人となってしまうことも
  2. 老人ホームの選び方の第一歩は、資料請求。いくつかの施設の資料を読み比べ、どのような特色があるのかを調べると同時に、「重要事項説明書」をじっくり読み、実際に足を運んでみる
  3. 老人ホームの選び方で特に重要なのは、「長くそこにいられるかどうか」。施設によっては短期入所しか認められないことがあるので、老人ホームを転々としなければならないことも
  4. 老人ホーム選びで念頭に起きたいのは6つのポイント。家族との関係性・住環境確認・介護や医療サービスが受けられる範囲をベースにし、費用と入居の条件、施設の雰囲気をつぶさにチェックする
  5. 老人ホームに入居するには、要介護度が上がる・年齢が上がるにつれ条件が厳しくなる。看取りにまで対応してくれるサービス付き高齢者向け住宅を見つけることができれば、早めに入居するのもひとつの方法

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