ヘルパーの仕事を目指す人が知っておきたい4つのこと

団塊の世代が定年を迎えて以降、日本の高齢化は急速に進んでいます。今後、さらに高齢者が増えていくことによって介護を担うヘルパーのニーズはさらに高まっていくでしょう。一方でヘルパーという仕事に興味を持っている人も多いと思われます。特に中年以降の女性にとって家庭との両立が比較的しやすいとわれるヘルパーの仕事は、関心が高い傾向にあります。

そこで、ヘルパーの仕事に関心のある人、ヘルパーの仕事をしたいと思っている人に向けて、その仕事内容や必要な資格、就業形態などについてご紹介しましょう。

1.ヘルパーの主な仕事は「身体介護」と「生活援助」

ヘルパーはホームヘルパーとも呼ばれますが、介護保険制度における正式名称は「訪問介護員」です(身体障害者に対するヘルパーもありますが、ここでは高齢者向けの介護員についてお話しします)。

ヘルパーの仕事は、自宅で暮らす要介護者の日常生活の援助を行う介護スタッフで、主に「身体介護」「生活援助」を行います。

そのために、要介護者の自宅を訪問し、必要な介護サービスを行いますが、サービスの内容は、要介護の状況によって異なります。サービス内容についてはあらかじめ介護認定を受けた利用者の状況に合わせて家族、そしてケアマネージャー、サービス責任者が相談して決められます。

では、それぞれの仕事内容について簡単にご説明しましょう。

身体介護

食事、着替え介助、排泄、入浴などの直接、利用者の身体に触れる介助、及びこれらの準備、片づけ。口腔ケア、体位交換など

生活援助

日々の生活をおくるために必要なサポートを指します。具体的には、掃除、洗濯、買い物や調理などの家事援助、病院からの処方薬の受け取りなど。場合によっては、病院への移動に伴う介助、付き添い、受診手続きなどが含まれる場合もあります

というように、介護や生活支援の必要な利用者の日常をサポートする仕事です。

ヘルパーはよくお手伝いさんのような家事代行と混同されることがありますが、仕事の内容はまったく異なります。

ヘルパーによる訪問介護は“要介護者の日常の暮らし”をサポートするもの。大掃除や庭の草刈り、来客時の大人数の調理など、特別な家事は含まれず、したがってこれらはヘルパーの仕事には該当しません。

一方でヘルパーには、要介護者に生活上のアドバイスや精神的なサポートをすることが必要なケースもあります。

介護が必要な状態になると、外出ができにくくなり、それに伴って社会との接点が減ってしまい、気持ちが落ち込むこともあります。特に独居の高齢者ではその傾向があるでしょう。そんな環境にいる要介護者は「自宅に来てくれるホームヘルパーが、もっとも身近な相手」になる可能性も大きいのです。

また、介護保険では自立支援を目指しており、ヘルパーが自宅で介護をすることにより、身体的、精神的、社会的に豊かな暮らしができるようするのが目標です。そのためにも、ヘルパーは要介護者本人が自ら工夫して毎日をできるだけ今まで通り暮らせるように、サポートすることが大切です。

2.ヘルパーに必須な介護資格

ヘルパーの仕事をするにはまず介護関係の資格が必要になります。資格といっても数ヶ月で比較的簡単に取得できるものや難易度の高い国家資格もあります。

なお、現在無資格なのでヘルパーは難しいと思いがちですが、雇用する介護事業者が資格取得に至る研修の費用を負担してくれるケースもありますし、資格の勉強をしながら仕事に携われることもあるので、事業者の求人情報を確認しましょう。

ヘルパーに関連する資格は主に次の3つです。

2-1.介護職員初任者研修

民間資格で最も取得しやすいのがこの介護職員初任者研修。130時間の基礎知識・倫理・実務を学び、最後の試験に合格すれば取得できます。具体的な内容としては、介護の基本やコミュニケーション技術、老化、認知症、障害の理解などの講義と演習、および施設への見学等が含まれる場合もあります。

なお、最低限この資格がないとヘルパーの仕事はできません。

2-2.実務者研修

介護職員初任者研修よりも、さらに詳しく幅広く知識や技能を身につけられる民間資格。以前のホームヘルパー1級資格に相当します。

基本的な介護提供能力の修得に加えて、医療的ケアに関する知識や技能の習得が①の介護職員初任者研修との違いです。

2-3.介護福祉士

国家資格。直接介護を行う資格の中で、最上位の資格。実務経験3年以上を経て実務者研修を受け、終了後に筆記試験を受けるルートや、学校から養成施設を経て筆記試験を受けるなど、いくつかの取得方法があります。実技試験を受ける必要があるケースもあります。

3.ヘルパーはやり甲斐のある自由度の高い仕事

ヘルパーの仕事は、利用者の自宅を訪れて介護・介助を行います。つまり利用者とマンツーマンで、相手に合わせたケアを行う仕事。良好な人間関係を一対一でつくることが大切な仕事と言えます。利用者の日常生活をできる限り滞りなく、普通におくれるよう支援・サポートするので、自ずと関係も深くなり、感謝される場面もあるでしょう。つまり、人の役に立てる仕事とも言えます。

これまで家庭で家族のためにしてきたお料理や掃除などの家事が役立ちますし、日常の着替えや排泄などの介助は利用者との密接な関係ができやすいため、喜ばれることで仕事の大きなやり甲斐を感じる場面も多いでしょう。

また、働き方は、事業所の正社員としての雇用形態だけではなく、パート、登録制でという働き方も可能です。パートや登録制ならば、基本的に事業所と相談の上、自分の空いている時間や好きな時間に勤務することができます。登録制であれば、いくつかの事業所に籍を置いて掛け持ちすることもできるでしょう。こういう働き方であれば、自分の生活のスタイルに合わせて、例えば週3日、1日5時間など、好きな時間単位で働くこともできます。

4.勤務形態は、事業所に所属する、あるいは時間で働くなど多様

ヘルパー勤務形態は、先にお話ししたように、正社員やパートなどとして直接雇用される場合と、登録あるいは派遣ヘルパーなどがあります。

直接雇用では、訪問介護事業所などの法人に就職するというスタイルで、こちらが一般的です。

登録ヘルパーは、訪問介護事業所にヘルパー登録し、勤務時間の相談などをしながら、主に利用者ごとに担当し、訪問するケースが多くなります。

派遣ヘルパーは、派遣会社に登録。求人があれば仕事の紹介を受け、ヘルパーとして派遣されます。

どの勤務形態も、仕事内容は大差ありません。しかし、事業所との関係や立場の違い、さらには収入や社会保険等の部分が違います。

実際、ヘルパーは非常勤スタッフが全体の8割程度とかなり多く、既婚の女性が子育てと両立、あるいは子育ての手が離れた後に働くなど、夫の扶養範囲内で働く場合も見られます。ちなみにヘルパーの就業形態は76.0%が非正規雇用です(平成28年度 介護労働実態調査より)

また、ヘルパーの平均年齢は53.0歳。男女比は、1:9で大半が女性。60歳以上の人36.4%と多く、長く働ける仕事です。平成27年度 介護労働実態調査より)

報酬面では、1カ月の実質金額が以下の通りです。なお、月給は正社員や正職員、契約社員などが主。アルバイト・パートや登録制では、その多くが日給や時給で働く人です。(平成27年度 介護労働実態調査より)

月給の場合 21万1067円(平均労働時間160.0時間)
日給の場合 14万4077円(平均労働時間133.5時間)
時給の場合  7万7907円(平均労働時間57.5時間)

 

それから、勤務時間は基本的に平日の日中。ただ、土日や早朝、夜間も対応する事業所もあります。日中や週何日働くなどを限定したり、1~2時間単位で働いたり、夜勤やシフト勤務というワークスタイルなど、ヘルパーは介護の仕事の中でも、特にフレキシブルに働ける職種と言えます。

まとめ

ヘルパーは今後、よりニーズが高くなる仕事です。資格が必要ですが、研修を受けることで比較的容易に取得できるうえ、事業所から研修費の補助が出るケースもあります。また自治体でも独自の研修を低料金で実施しているところもあるので、お住まいの自治体の情報を探してみても良いでしょう。

利用者の身になって、日々のクオリティ・オブ・ライフの維持をサポートするヘルパーという仕事。もし興味があるようなら、求人を行っている事業所に問い合わせてみることをおすすめします。