胃ろう(胃瘻)とは

胃ろう(胃瘻)とは、何らかの理由で口から食事を摂取することが難しい人に対し、正しい栄養管理を行うため、胃から皮膚表面に穴を開けることを指します。この穴(胃ろう)にカテーテルと呼ばれる管を通し、栄養剤や水分を体内に補給します。

胃ろうを通した「経管栄養」は医療行為のひとつです。しかしながら、2012年からは介護福祉士やヘルパーなどが一定の条件下でこの胃ろうからの経管栄養を行えるようになりました。

1.胃ろうに使われるカテーテルの種類

胃ろうが必要と判断されると、医師はその人に適したカテーテルの検討に入ります。

  • バルーン・ボタン型=胃の内部部品がしなやかなバルーン状+体表側はスナップボタン状
  • バルーン・チューブ型=胃の内部部品がしなやかなバルーン状+体表側にはチューブが付属
  • バンパー・ボタン型=胃の内部部品が強固なバンパー+体表側はスナップボタン状
  • バンパー・チューブ型=胃の内部部品が強固なバンパー+体表側にはチューブが付属

胃の位置や、胃の内側までの厚さなどは個々人によって異なります。また、誰にどのように管理してもらうのかなどまでを考え、適切な製品を選んでもらいます。

2.胃ろうで用いられる栄養剤

胃ろうから体内に入れる栄養剤は、その人その人に適切なものが選ばれます。

  • 必要なカロリー
  • 必要な水分
  • 必要なたんぱく質量

この3つの側面と本人の腸の状態などから総合的に判断されます。
糖尿病や腎臓疾患、肝臓障害など持病がある場合は、それらに特化した栄養剤が使用されます。心疾患などで水分の管理が必要な場合は、これに配慮した栄養剤もあります。

胃ろうに用いられる栄養剤は、医薬品ないしは食品(栄養補助食品)に分類され、食品扱いのものであれば介護用品の専門店などでも入手することができます。

3.在宅介護で胃ろうの人を看る場合

口からの食事摂取で誤嚥による窒息や肺炎を防ぐためとはいえ、カテーテルから胃に入れた栄養剤が逆流、そのため誤嚥(ごえん)が起こることもあります。また、カテーテル周辺の衛生状態を保つ必要もあります。胃ろうを作った病院から退院する際、在宅介護における注意点の説明がありますので、理解できるまで確認します。

たとえ胃ろうとなったとしても、飲み物なら飲めるといったときならば、口から摂取することも可能です。口からの栄養摂取は、生活の質(=QOL)の向上に欠かせないものです。医師や体調と相談しながらリハビリを重ね、味わうことも楽しみましょう。

胃ろうは、ときとして延命措置のひとつと捉えられる側面が否めません。本人がどうしたいのか、認知症のためカテーテルを取り外してしまったりはしないかを含め、介護する方自身も充分に考えておく必要があります。

まとめ

胃ろうとは、口から食事や飲み物の摂取ができなくなってしまった人が栄養を摂るために大切な手段のひとつです。胃ろうについては、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 胃ろうとは、管を通し栄養を摂取する方法。医療行為のひとつだが、介護福祉士やヘルパーも手伝いができるようになった
  2. 胃ろうに使用されるカテーテルは4種類。胃の位置や管理の難易度など総合的に検討される
  3. 胃ろうで使用される栄養剤はカロリー・水分・たんぱく質量と、本人の体調・病状に合わせて選択される
  4. 胃ろうにした人を在宅介護でお世話することも可能。ただし専門家の手を借りながらのケアとなる