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ケアマネジャーの仕事は?現状からみる「これから必要なケアマネジャー」の姿

ケアプラン作成と、居宅サービス事業者や各種施設などとの調整などを行うケアマネジャーは、介護の仕事においての知識と経験が問われる「お世話役」です。

ただ単に要支援者・要介護者のお世話をするだけでなく、どのサービスを使えばその人のためになるのかまでを考えるケアマネジャーは、介護の現場には欠かせない人材です。

この記事では、ケアマネジャー(介護支援専門員)についてご説明します。その役割や資格取得法を知り、介護職員としてのステージアップに役立ててください。

1.ケアマネジャーの役割・仕事内容は?

ケアマネジャーとは利用者と接して何が必要かを理解し、どのようなサービスを利用できるかを判断しなければなりません。別名、「介護支援専門員」とも呼ばれます。ケアプランの作成から実施、介護保険給付金の請求まで、ケアマネジャーが関わる場面は次の通りです。

1-1.インテーク(初回面談)

ケアマネジャーへの初回面談(相談)は、電話/訪問/所属する事務所への来訪などいくつかのパターンが考えられます。いずれにせよ、まず

  • 緊急性があるのか、ないのか

の判断をしなければなりません。中には即座に119番通報を要すると考えられる相談事もありえますので、冷静に、誠実に対応します。

ときには、介護保険では対応できない相談ごとをもちかけられることもありますが、単に「NG」と回答するのではなく、その問題がなぜ発生したのかを理解する姿勢と誠実さをもって接します。

1-2.アセスメント(課題分析)

介護を要する方の状況や置かれている環境は様々です。そのため、単に「何が必要なのか」だけでなく、

  • なぜそうなったのかを知る
  • 現状はどうなのかを知る
  • 本人はそのことについてどう考え、どこまで自身で解決しようとしているかを知る
  • 今現在、要介護者本人が行えていることを具体的に知る

ことが求められます。

あらゆる角度から手助けして欲しい点・問題となっていることを理解し、噛み砕くことで、単に「足りないものを補う」のではなく、「本人の生活の質(QOL)を保ちながら要介護度の改善/現状維持/進行を遅らせる」ことを目指さなければなりません。

自宅への訪問で行われることも少なからずありますので、基本的なマナーを身につけておくことはもちろんのこと、いわゆる“上から目線”ではなく、相手の気持ちを汲み共に考える姿勢が求められます。

アセスメントはときに数回に及びますので、次回知りたいことを伝えておくことで「次もこの人に話を聞いてもらえるのだな」と理解してもらうことができます。

1-3.ケアプランの作成

アセスメントにより「課題」が明らかになったところで、その課題をクリアする、もしくは要介護者ご本人の目標を実現するために利用できるサービス計画(ケアプラン)を作成します。

ケアプラン作成時は、ニーズ・目標・利用サービスを的確に示すよう、文章を「5W1H(だれが・何を・いつ・どこで・どうして・どのように)」に則って整理し、スムーズに読めるようにします。

  • 本人や家族の意向
  • 解決したい課題(ニーズ)
  • 課題の優先順位に対しての目標・援助内容

これらの要素が自然に繋がるよう、他の人が読んでも戸惑いがない文章を作成し、何度か読み直し必要があれば手直しをします。

ここで作成したケアプランは、後にそのケアプランに関連する人が集まるサービス担当者会議にかけられますので、スムーズな情報共有ができるよう「読みやすいもの」にしておく必要があります。

1-4.サービス担当者会議

ケアプランに関わるサービス担当者や利用者とその家族が集合します。そのケアプランが適切か、専門家からの指摘点はないかを検討し、利用者の意向の再確認する場となります。

このサービス担当者会議は、ケアプラン作成時や変更時、要介護認定の更新時など、折にふれ行われるものです。「長いお付き合い」となる可能性のある人たちが集いますので、利用者や家族の不安や疑問を感じ取ったら、可能な限りその場で解消することが大切です。

1-5.モニタリング

介護サービス利用が始まると、そのことがきっかけで利用者の生活が変化します。それに関して自宅や施設に出向き、本人や家族に意見を聞くのがモニタリングです。

適切にサービスが提供されているか、当初の目的は達成できそうか、サービス事業者の対応に問題はないかなど、親身になってヒアリングをして情報を集めます。もしもケアプランに則って利用したサービスが目標にそぐわないものであると判断できたときは、ケアプランを修正・変更しなければなりません。

1-6.給付管理

介護サービスの利用が始まると、介護保険からの給付金を確保するためいくつかの書類が必要になります。利用者本人ないしは家族に渡す「サービス利用票」、サービス事業者に渡す「サービス提供票」などがそれです。

署名捺印されたこれらの書類を1カ月単位で集め、サービス提供内容に食い違いはないかを確認し、「サービス利用票(控)」(サービス提供の実績の確認)を固め、「給付管理票」を作成します。この給付管理票をもって請求業務(給付管理)を行わなければなりません。

ケアマネジャーの作成する給付管理票と、サービス事業者の提出するサービス明細書に違いがあれば差し戻し対象となり、サービス事業者にお金が入らない事態となってしまいます。このようなトラブルが起きないよう、サービス提供の実績まで細かくチェックするのもケアマネジャーの大切な仕事です。

介護支援専門員(ケアマネジャー)│厚生労働省

2.ケアマネジャーになるには? 受験資格や受験日、合格率は?

これまでみてきたように、ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、要支援・要介護者が本当に求めるべきサービスを選び、それが実施されることとその最適化を見守る重要な役割を担っています。

支援を求めている人にとって「役に立っている」という実感を得られると同時に、その責任が重くなることも事実です。

では、ケアマネジャーになるには何が必要なのでしょうか。

2-1.受験資格は?

ケアマネジャーになるためには、ふたつのルートがあります。

  • 医師・看護師・社会福祉士・介護福祉士など保健医療分野で実務経験5年以上
  • 生活指導員・支援相談員などで相談援助の実務経験5年以上

これらの受験資格を満たす人が、「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)」を受け、それにパスした上で実務研修終了後、晴れてケアマネジャーになります。

2-2.出題分野は? 試験日は? 合格率は?

出題分野は、大きく「介護支援」「保健医療福祉サービス」の2分野です。

  • 介護保険制度に関する基礎知識
  • 要介護認定などに関する基礎知識
  • 居宅・施設サービス計画の基礎知識
  • 基礎的な保健医療サービスの知識
  • 総合的な保健医療サービスの知識
  • 福祉サービスの知識

合計60問を120分、マークシート方式で回答します。

試験日は年に1度、10月に全国の都道府県で実施されます。試験の日時などは、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのページに各都道府県の窓口へのリンクが貼られていますので、そこから確認します(介護支援専門員│公益財団法人社会福祉振興・試験センター)。

気になる合格率は21.5%となっていて、「高いハードル」というべきでしょう。試験に合格した後は、87時間以上の実務研修を受講します。

第20回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について│厚生労働省

3.ケアマネジャーの年収(給料)はどのくらい?

難関ともいえる試験に受かってから、現場では要介護者の要介護度や健康に気を遣い、サービス事業所との調整、お金にまつわる書類作成と、ケアマネジャーはあらゆる方面に神経を尖らせていなければならない仕事です。

年収は、

常勤=約400万円(月給約34万円×12カ月)

非常勤=約286万円(月給約24万円×12カ月)

となっていて、介護と福祉・社会資源に通じた他の資格である介護福祉士(ケアワーカー)、社会福祉士(ソーシャルワーカー)より平均年収が上回っているというデータがあります(平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果│厚生労働省)。

※介護に関連する資格やその取得方法、収入に関する事柄は、以下の記事もご参考になさってください。

4.ケアマネジャーの直面しがちな「現実」

年々増加する要介護者に対し、ケアマネージャーには応えるべきことがとても多くあります。

たとえば、居宅介護支援というケースで、ケアマネジャーひとり当たりの利用者数は“右肩上がり”です。

  • 平成20年調査=26.9人
  • 平成23年調査=26.8人
  • 平成26年調査=31.6%

平成26年介護事業経営実態調査結果15-1居宅介護支援(総括表)│厚生労働省

そして、仕事上の悩みも

  • 自分の力量について不安がある=52.3%
  • 賃金が低い=32.4%
  • 残業が多い・仕事の持ち帰りが多い=14.8%

※複数回答

の順で続きます(居宅介護支援事業所及び介護支援専門員業務の実態に関する調査報告書│三菱総合研究所)。

同じ調査内で、仕事を遂行する上での悩みとしているものは、

  • 記録する書式が多く手間がかかる=64.2%
  • 困難ケースへの対応に手間がとられる=45.5%
  • ケアマネジャーの業務範囲が明確でない=29.7%
  • 制度が頻回に変わり、対応に時間と労力がかかる=29.%

※複数回答

が上位となっています。

これらは、もしかするとケアマネジャーという仕事の問題ではなく、介護保険やそれにまつわる制度の問題なのでは、と推測できます。

「2025年問題」を前に、国も今後、介護保険の制度をさらに改変、介護にまつわる様々な資格にてこ入れすることは明白です。このことを裏返すと、今から経験を積み、フットワークが軽く柔軟性の高いケアマネジャーになっておけば重宝され、引く手あまたとなる可能性が高い、ということです。

もしもケアマネジャーになりたいと思っている方なら、今から準備に取り掛かり、早めに試験に合格して経験値を高くしておく必要がある、といえるでしょう。

まとめ

ケアマネジャーは、介護を要する人と介護サービスを提供できる人とを結び、その遂行を見守る大切な「お世話役」です。コミュニケーション力が高く、「もっと人の役に立ちたい」と思っておられる方にはおすすめの資格で、今後さらに“需要”は増えるものと考えられます。

ケアマネジャーという仕事についてご説明しましたが、以下の5つを特に理解しておきましょう。

  1. ケアマネジャーとは、介護にまつわるケアサービスとそれを必要とする人とを“結び合わせる”職業。介護支援専門員とも呼ばれる
  2. ケアマネジャーの仕事は、相談・課題分析・ケアプラン作成・サービス担当者会議・モニタリング・給付管理まで。介護サービス提供の一連の流れに関与する
  3. ケアマネジャーになるためには、保健医療分野ないしは相談援助の実務経験5年以上が求められ、さらに試験に合格しなければならない
  4. ケアマネジャーの合格率は、平成29年度で21.5%。平均年収は介護福祉士や社会福祉士より高い
  5. 2025年に向け、介護職員はさらに求められる。介護の仕事でステップアップするために、ケアマネジャーという選択肢もある

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