認知症短期集中リハビリテーションとは

介護に役立つ用語集

認知症短期集中リハビリテーションとは、軽度ないしは中程度・重度の認知症患者に対し介護老人保健施設において行われるもので、家ないしは在宅系施設へ戻り生活することを目的に実施される。

このリハビリにより、認知症の進行予防のみならず、本人の意欲や活動性を高めることが期待されています。

認知症短期集中リハビリテーションは、平成18年から軽度認知症患者を対象に介護老人保健施設で行われていますが、平成21年からは中等度・重度の認知症患者にも行われています。

1.認知症短期集中リハビリテーションのプログラム

認知症短期集中リハビリテーションのプログラムは、本人の状態に合わせて立案されます。対象者や期間、頻度などは、概ね以下のようになります。

  • 対象者=認知症検査で5~25点相当(30点満点)
  • 時間=1回20分
  • 期間=3カ月
  • 頻度=週2~3回

自宅ないしは在宅系施設での生活機能を改善するため、理学療法士や作業療法士などがリハビリテーション実施計画に則り訓練を行います。見当識・記憶・集中力などを中心に、要介護者本人の求めるリハビリを組み合わせ、リハビリテーション実施計画が作成されます。

2.認知症短期集中リハビリテーションの効果

認知症短期集中リハビリテーションは、介護保険報酬でも認められたものです。つまり、一定の効果が認められた結果といえます。

認知症短期集中リハビリテーションで得られた効果には、

  • 関心や意欲の向上
  • 会話や人との交流の改善
  • 身の回りのことがある程度できるようになった
  • 記憶力・見当識の改善

のようなものが確認されています。

認知症短期集中リハビリテーションの効果をより上げるためには、単なる訓練ではなく、コミュニケーションを楽しむ環境を整えることが重要と考えられています。

3.認知症短期集中リハビリテーションの評価

ある調査では、認知症短期集中リハビリテーションの効果を評価するため、

  • 認知機能
  • 周辺症状
  • 抑うつ評価
  • 意欲
  • 記憶・見当識・会話

など、それぞれの度合いを数値化する評価法を用い、リハビリ前後の効果を計測しています。

認知症患者を、認知症短期集中リハビリテーションを受けた群、そうでない群に分け、リハビリ実施後に効果計測したところ、ほとんどの観点から「認知症短期集中リハビリテーション対象者は優位に認知機能の改善が認められた」と評価されています(認知症短期集中リハビリテーションの実践と効果に関する検証・研究事業報告書│社団法人全国老人保健施設協会)。

まとめ

認知症短期集中リハビリテーションとは、その効果が認められ、介護保険報酬にも組み込まれているものです。制度への導入当初は軽度の認知症患者が対象でしたが、今では中等度・重度の認知症患者にまで拡大されています。認知症短期集中リハビリテーションについては、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 認知症短期集中リハビリテーションとは、認知症患者が自宅ないしは住宅系施設で生活できるよう実施されるもの
  2. 認知症短期集中リハビリテーションのプログラムは、本人の状態に合わせ、リハビリテーション実施計画を組み、実施される
  3. 認知症短期集中リハビリテーションは、関心・意欲の向上、会話や人との交流の改善・記憶力の改善などの効果が見られる
  4. 認知症短期集中リハビリテーションを受けた人・受けない人を比較したところ、受けた人では「認知機能の改善が認められた」と評価されている