腹水(腹水貯留)とは

介護に役立つ用語集

腹水(腹水貯留)とは、がんや肝硬変など特定の病気により腹腔に体液が溜まること。

ときにその体液が肺などの臓器を圧迫し苦しさを感じさせたり、細菌が入り込むと突発性細菌性腹膜炎をも引き起こすことがあります。

そもそもの病気を治すことも大事ですが、あまりにも腹水の量が多いときは、腹水を外科的手術で取り除いたり、利尿剤などで体外に取り出す治療が必要です。基本的な治療法は、食事で摂取するナトリウムを控えることと、安静です。

1.腹水がきたす症状

腹水によって引き起こされる症状は、基本的に内臓の圧迫で、自覚症状として次のようなことを感じることがあります。

  • 食事を取ろうにも、急に食が細くなってしまって食べられない
  • 常に吐き気がするようになった
  • 歩くとき、息切れするまでの時間が急に早くなった
  • おなかが膨らんできた

腹水は、そもそもだれのおなかにも存在するものです。腸などの動きをスムーズにするよう、一般的には約50ミリリットルの腹水があるとされています。腹水は、定期的に入れ替わるよう、産生と排出が繰り返されていますが、このバランスが良くないのが腹水(腹水貯留)のもととなります。

2.腹水の原因

腹水の原因は「体液が過剰に生み出される」ないしは「排出がうまくいかない」ことです。

腹腔内の血管の圧(血管内圧)が高ければ不要な体液を取り出せなくなりますし、むしろ逆に血管から水分が腹腔内に出て行き腹水が増えることとなります。

たんぱく質の一種であるアフブミンが不足することも腹水の原因となります。血管内の水分を一定に保つ性質をもつアルブミンが足りないと、余分な腹水を腹腔内血管に取り込めなくなったり、さらには腹腔内血管内の水分を放出することもあります。

腹水の原因となる病気には、

  • 肝硬変
  • うっ血性心不全
  • がんによる腹膜炎
  • ネフローゼ(尿にタンパクが多く出てしまい低タンパクとなる)

などがあります。

3.腹水穿刺(ふくすいせんし)

腹水穿刺は、腹腔内に溜まった体液を取り出すことを目的に行うものです。腹腔内に溜まった体液、つまり腹水が内臓を圧迫する苦痛を軽減する治療法のひとつです。

取り出した体液の色合いで病気が発見されることもありますので、ときに検査の一環としても行われます。腹水内の細胞を培養し、細菌感染していないかを調べ、その結果によって治療方針を立てるのに役立てます。

もしも在宅ターミナルケア(終末期医療)のステージにある場合でも、在宅のまま腹水穿刺を行うことがあります。時間は1時間半~2時間ほどかかりますので、いかに本人に負担をかけずに行うかが検討されます。

まとめ

原因は何であるにしろ、おなかに水が溜まる腹水(腹水貯留)は内臓を圧迫し、息苦しさなどを招くことで本人に苦痛となってしまいます。高齢者に起きやすい肝硬変やがんなどが腹水を引き起こすこともありますので、在宅介護の場合の対処法を医師に聞いておくことは重要です。腹水(腹水貯留)については、以下の4つを特に理解しておきましょう。

  1. 腹水(腹水貯留)は、必要以上に腹腔に体液が溜まることを指す
  2. 腹水(腹水貯留)が起きると、内蔵が圧迫され、食が細る・息切れがする・おなかが膨らみ重くなるなどの症状を呈する
  3. 腹水(腹水貯留)は、体液の産生と排出とのバランスが悪いことが原因。特定の病気により引き起こされる腹水(腹水貯留)もある
  4. 腹水穿刺(ふくすいせんし)は、腹水による内臓圧迫の苦しさを軽減する治療法。取り出した体液から病気が見つかることもある